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連載20年!『カバチ!』は続くよどこまでも。

カバチは『理屈』とか『生意気な事』でカバチタレはそこから転じて『屁理屈を言うやつ』というような意味合いです。

 

広く知られているのは広島の方言としてですが、僕の住む岡山県でも山間部や北部の方、山口県でも一部で使われているとのことなので、中国地方の方言のひとつと言ってもいいかもしれません。

 

で、そんなカバチな奴らがカバチを垂れ続けていたらなんと20年も経っていた! というのが今回のレビューになります。

 

 

カバチタレ!(1) (モーニングコミックス)
著者:田島隆
出版社:講談社
販売日:2012-10-23

 

『カバチタレ!』(全20巻)は原作に現役の行政書士でもある田島隆氏、作画にその従兄弟で、青木雄二センセイのアシスタントをしていた東風孝広センセイのタッグが描く法務物語です。

 

ある日、ささいなことで職を追われた主人公・田村は、スナックで知り合った行政書士・大野の助力で、職場から失うはずだった給与を取り返します。

そして、田村は法務を天職と定めて、大野事務所に再就職をします。

行政書士は別名『町の法律家』。

『カバチタレ!』では、そんな行政書士の仕事、つまり書類作成の代行から、法律や条例を必要とするトラブルの解決まで、身近な出来事を通して、現代の社会のあり方や身近な法律を、僕たちに教えてくれました。

 

作中では、未払い賃金や保険証詐欺、貸金トラブル、不動産トラブル、不貞行為、果ては人身売買や内部告発など、大小さまざまなトラブルに対し、田村と事務所の面々が法律を駆使して挑みます。

 

『カバチタレ!』は「弱者救済」がテーマなので、みんな熱血ですね!

 

そして、主人公・田村が見事、行政書士の資格試験をパスしたことで『カバチタレ!』としては区切りをつけ、『特上カバチ!! -カバチタレ!2-』と名前を変えて物語は続いていきます。

 

 

 

 

タイトルが変わったと言っても、作品の内容が変わるということではなく、それどころか「特上」の名前のとおり、さらにパワーアップをしていきます。

 

『特上カバチ!! -カバチタレ!2-』(全34巻)では、より物語性、ドラマ性を強めており、新キャラクターはもちろん、事務所のメンバーの過去や単体ストーリーも描かれています。

なかでも事務所所長でもある大野勇の過去編は大きな反響を呼びました。

 

ただ、この頃から主人公でもある田村は、より現実的で堅実な性格に寄ってきており、物語序盤の頃の「法の力で弱者を救済する」といった熱血漢の暴走キャラは鳴りを潜めていきます。

 

もちろん、キメるときはキメるんですけど「下っ端感」が強くなり、トラブルメーカー的なキャラ付けが強くなってきているのが、たまに傷ですね。

 

このシリーズでは、偽造書類の見分け方やお水の世界での法の使い方、パワハラにセクハラ、遺産相続や動物愛護、モンスタークレーマーに交通事故といった、現代社会に一層沿った物語が多くなります。

 

そして、この『特上カバチ!! -カバチタレ!2-!」の最終エピソードをもって、『カバチ』シリーズは新たなチャプターに突入します。

 

 

 

 

3度目のタイトル、その名もズバリ『カバチ!!! -カバチタレ!3-』です。(「!」の数がシリーズごとに増えてきているのがポイントです)

 

前作の最終エピソードで、事務所の所長を降板してしまった大野に代わり、田村はなんと新所長に指名され、就任します。

 

とはいえ、やっていることは前作までとほぼ同じですが、新たに加わったメンバーと共に、現在進行形で物語を展開中、既刊24巻です。

 

最近のエピソードでは「バイトテロ」を取り上げていました。

 

必ずしも作中で取り扱っている法律の解釈が、そのまま現実に通用するうんぬんは議論になるところかもしれませんが、如何せん、こんな世の中ですから「法律を知らないより知っていた方が何事にも有利になる」のは間違いありません。

 

「知らないだけで損をする」と言われる法の世界についてバッチリ語った法律マンガの金字塔『カバチ』シリーズは今年で20周年!

これからも続いていくことを願ってやみません。

 

 

極悪がんぼ(1) (イブニングコミックス)
著者:田島隆
出版社:講談社
販売日:2012-09-28

 

 

最後に、同作者タッグによる「裏カバチ」こと『極悪がんぼ』も一緒にご紹介させてください。

 

天涯孤独、カネなし、コネなし、学歴なしの主人公・神崎が、事件屋と呼ばれる裏稼業で成り上がっていく物語です。

こちらは完結してしまいましたが、『ミナミの帝王』や『闇金ウシジマくん』などのアンダーグラウンド大作と比べても、全く遜色なく楽しめる傑作になっていますので超オススメです!

 

そんな『カバチ』シリーズを連載直後からずっと読み続けている僕が店長をしているコミックサロン『G.I.F.T.』では『カバチ』シリーズも『がんぼ』シリーズも1〜3巻までお試しいただけます。

岡山駅から徒歩15分、天満屋からは徒歩5分。自慢じゃないけどいいお店なんでオススメです!