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7つの大罪×里見八犬伝=『BABEL』!?名作フュージョンから超時空の大作爆誕!

知ってるようで詳しくは知らない『八犬伝』という超大作

『南総里見八犬伝』……『里見八犬伝』とも『八犬伝』とも呼ばれるこの作品は、江戸時代後期に滝沢馬琴という作家が28年もの歳月をかけて生み出した、全98巻106冊の日本を代表するファンタジー小説だ。

 

里見家の伏姫と彼女を娶った犬八房の物語であり、伏姫の死と共に日本中に散らばった「仁義礼智忠信孝悌」それぞれの文字が浮かぶ珠を持つ八人の男たちの物語、そして里見家の再興の物語でもあるこの壮大な作品は、連載時から人気を博し、現代にいたるまで歌舞伎や演劇、映画、ドラマ、アニメ、小説、マンガなどなど数多くのリメイクを生み出している。

 

僕自身がこの作品に初めて出会ったのもリメイクされたOVA版『THE 八犬伝』を確か友達が貸してくれて、その話の面白さから現代語訳版など色々な作品を読むようになったのがきっかけだ。

 

実際、この『八犬伝』という作品について、名前は知っているとか、文字が浮かぶ珠を持った八犬士というのが活躍するとか、ざっくり里見家の没落と再興の話だとか、「仁義礼智忠信孝悌」って言葉は知ってるとか、なんとなくは知っているものの、ちゃんとどんな作品かは知らなかったりする人がほとんどじゃないかなと思う。

 

だって、なにせ長いから(笑)

 

全訳なんて付けている小説なんかにしたって、ホントにしっかり内容をすべて再現できているものなんてほぼない。

だから、だいたいみんなうろ覚えになったりしてる。

 

あと、リメイク版なんかは端折りまくったり、オリジナル展開をしていたりするものも多いんで、「あれ?そんな話だったっけ?」ってなることもしばしばなワケ。

 

でもね、逆にそれだけの作品が生まれるほど面白いっていうのは、ストーリーだけでなく、世界観と強烈なキャラクターが圧倒的な魅力を持っているから。

だからこそ『八犬伝』って付いてる作品とか『八犬伝』オマージュなんて書かれた作品を見たら、つい「おっ、どれどれ」と気になっちゃうし、いろんなリメイク版がどんなアレンジをしてるかを楽しみに見ちゃう。

 

そして、今まで見たことのない全く新しい八犬伝がこの『BABEL』というマンガだ。

 

七つの大罪vs八犬士!?トンデモ設定が熱すぎる!

石川優吾

『BABEL』

 

 

作者の石川優吾先生と言えば、アニメやドラマなど様々なメディア化作品を生み出した人気マンガ家で、作品によって作風も絵柄も、そのストーリーや世界観に一番合う形で変えられるテクニカル・クリエイターだ。

 

僕はその中でも『スプライト』『ワンダーランド』が特に好きだったんで、そんな石川先生が八犬伝を描く!ってだけでも大興奮なのだが、実際始まってみたら、僕の期待値のハードルなんて余裕で飛び越えていくとんでもない作品だった。

 

最初、八房の話からがっつり原作と違ってたんで、「おお、だいぶアレンジするんだなー」なんて読み進めてたが、

 

 

©石川優吾 / 小学館

 

 

……玉梓……???

 

 

 

©石川優吾 / 小学館

 

 

 

……ラテン語!?

 

もうね、アレンジなんてものじゃない。

これは『八犬伝』という極上の素材を使った、完全石川オリジナルの作品だ。

 

もちろんこれは最上の褒め言葉だと思ってもらいたい。

 

もしかしたらネタバレと言われるかもしれないが、この後、話が進んで行くとベルゼブブが出てきたりして、実は玉梓はじめ、八犬士に立ちはだかる怪異たちは西洋(キリスト教の世界)から日本へ渡ってきた悪魔だと明かされた。

 

 

©石川優吾 / 小学館

 

©石川優吾 / 小学館

 

 

善なる神の加護の受けていない日本に悪魔が根を下ろす、それはすなわち日本が地獄と化すということ……そんな悪魔に立ち向かう八犬士たち。

 

いやあ、熱すぎるでしょ!

 

まだまだ犬士も日本に渡ってきた悪魔も出揃っていない上に、原作である『八犬伝』の物語のほうの展開も序盤なので、原作と同じく、これまたとんでもない超長大作になる予感がビンビンくる。

 

『八犬伝』好きにもたまらないし、『八犬伝』を知らない人が読んでもファンタジーとしてめちゃくちゃ面白いので、是非読んでみて欲しい。

 

 

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BABEL (1) (ビッグコミックス)
著者:石川 優吾
出版社:小学館
販売日:2018-05-30