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これはギャグ?ホラー?虫を食べて奇声を発する人間化した猫の行動が色々とヤバい!『ぼくらのペットフレンズ』
レビュー執筆者:miyamo

 

ギャグ漫画『ぼくらのペットフレンズ』

 

夢の都で人間と仲良く暮らす動物たちが、人間の女の子の姿になってどったんばったん大さわぎ。

 

メインヒロインはネコ科のアニマルガールで、明るく気のいい元気っ子。いつも自由奔放にうみゃみゃーっと駆け回っては気の合うフレンズと楽しく遊び、いざとなれば野性を解放したパワーでちょっぴり過激に暴れるぞ。版元は天下のKADOKAWA様だ!……うん、ここまで書けば該当する作品は1つですね。

 

そう、『ぼくらのペットフレンズ』である。

 

それ以外? いいや、他に思い浮かぶものはないね! そうだろう!? どうだろう……。け、けも……いや……

 

というわけで、正直いろんな意味で“何か”へ危険球を投げ込んだ感あふれる動物美少女化ギャグマンガを本日のピックアップとしたい。

 

主人公は、ペット猫の「ブリュンヒルデ一世」。飼い主が仕事に出て留守にしている間にヒトの女の子の姿へ変身して町にくりだし、人間の身体ならではの遊びに興じる──と思いきや、モンシロチョウやダンゴムシを手づかみでむしゃむしゃ捕食して「ヒャアアア美味しッ」とよだれまみれで恍惚とするわ、わざわざ顔面以外を動物のままにして人面犬(猫だけど)の状態で走り回って恍惚とするわ、お昼寝中に寝ぼけたご主人様に身体をまさぐられて気持ちよさのあまり狂ったオットセイみたいな声を漏らし恍惚とするわ……恍惚としすぎやなキミ。

 

他にも、おしとやかなご令嬢ふうの美少女が登場したかと思えば、興奮して唇を大きくめくり歯をむきだしてウキーウキーウホホーと奇声を上げるお猿さんだったりと、強烈なキャラクターが怒涛の勢いで性根を露呈させていく図が見どころだ。

 

いったん人間の姿に寄せておいてから、ケダモノぶりにふりきった挙動をさせることで、読者に「あっ、いうてもこいつら違う種類の生き物なんやな……」とキャラクターへの距離を適度に取らせるドライな笑いは、ドライであるがゆえにいっそカラッと晴れやかな気持ちを与えてくれる。人間と似て非なる動物少女たちの「非なる」をオブラートに包まず露出させた描きくちは、例の作品と似て非なるこの作品の立ち位置そのものまで重なるところだ。

 

思うに“癒し”というのは、かわいらしいものや優しいものに心温められて回復するさまだけをさす言葉ではない。どうしようもないもの、しょーもないものをハッキリと目の前にあらわし突きつけてもらうことで、いい意味でどうでもよくなってさっぱりと解放感を得るのもまた“癒し”なのではないだろうか。

 

人間という社会性動物であることに疲れた私たちの心身に向けてぶちまけられる、文字通りに“ド畜生”なトリックスターの戯れ……。

 

そういう意味で、これはたいへんヒーリング効果の高いマンガと言える。……言えるか? まあいいや。とにかく、みなさんも人生の影に潜むダンゴムシをサクサク食べてくれるペットフレンズを心の中に飼って、ふてぶてしく生きていきましょう。

 

なお、本作は「ComicWalker」で2017年9月にWeb連載開始、2018年4月までの半年余りを経て休載に入っている。作者の人生負組先生は現在「電撃マオウ」にて新作『社畜くんと奴隷ちゃん』を連載中。半ファンタジーな世界で奴隷の女の子を買った青年がブラック企業勤めのサラリーマンで、いったい本当の奴隷はどっちやろ……と哲学的(?)な気分にさせつつドタバタする日常ギャグマンガで……って、こっちもとんだロックだな!

 

 

ぼくらのペットフレンズ (電撃コミックスEX)
著者:人生負組
出版社:KADOKAWA
販売日:2018-01-27

社畜くんと奴隷ちゃん 1 (電撃コミックスNEXT)
著者:人生負組
出版社:KADOKAWA
販売日:2018-12-10

 

 

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