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生きるのもしんどく死ぬのも怖いアラフォーに寄り添うマンガ『あした死ぬには、』

 

死んだように生きていませんか?

テストです。あなたはいくつ当てはまりますか?

 

1.将来に漠然とした不安を感じる
2.仕事で周りの人に振り回されている
3.ライフスタイルを変えたいが先延ばしにしがち
4.疲れがたまりすぎてつらい
5.でもまあ、なんとか生きている

 

さて、正解は「ひとつでもあてはまったら、このマンガに助けを求めましょう」です。

 

 

あした死ぬには、 1
著者:雁 須磨子
出版社:太田出版

 

普通に生きることがしんどい。救われたい…

 

雁 須磨子『あした死ぬには、』は、冒頭の項目にひとつでも当てはまったならば、必見の作品です。


主人公は42歳の女性。映画宣伝会社に勤める本奈多子(ほんな・さわこ)の日常を描いた作品です。

 

30代、40代の女性にとっては誰もが抱えているテーマである「普通に生きることの大変さ」が繊細に描かれていて、個人的には頷くことしきり。

 

例えば……

死にそうな胸苦しさで救急車に乗ったのに、病院で異常なしと診断され、真夜中のタクシーでひとりで帰る空しさ。
なんとも言えない微妙な金額の通帳の残高。
今日だけでもしんどいというのに、「明日を乗り切ろう」が延々と、老いてもなお続く、というホラーな夢を見て目が覚める。

 

 

©雁 須磨子/太田出版

 

 

つまり、作中の

死ぬのも怖いが、生きるのも怖い」

という言葉が説得力を持って重く刺さってくるのです。

 

 

©雁 須磨子/太田出版

 

 

 

©雁 須磨子/太田出版

 

 

多子やほかの登場人物たち、そして私たち読者は、その気持ちとどう折り合いをつけながら暮らしていくかが読みどころです。

 

第2巻は新キャラの深い話も出そうなので、早くも続きが楽しみ。

 

救うと言っても医療マンガではないので、読んですぐ効果があるようなものではないけれど、ひたすら話を聞いてくれるカウンセラーのような存在のこの本。

ぜひ手元に持っておきたい一冊です。

 

第1巻の表紙が、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」(この絵画です)の現代版といった感じで美しいので、あわせてチェックしてみてください(装丁は萩尾望都作品や『坂本ですが?』など幅広く第一線でご活躍の芥陽子さん)!

 

 

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