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『青のフラッグ』KAITO先生の『クロス・マネジ』は、自分の限界と対峙するすべての人への応援歌だ!

話が進むごとに複雑な人間模様が一層深化し、マンガ好きが最新話を待ち焦がれている『青のフラッグ』というマンガがあります。

 

 

 

この連載が『少年ジャンプ+』で始まった時、竹谷は作品の詳細を読むこともなく即、最初のページをめくりました。

 

この作品を描いているKAITO先生が以前に『週刊少年ジャンプ』で連載していた『クロス・マネジ』が大好きだからです。

 

『クロス・マネジ』はスポーツのラクロスを題材にしたマンガなのですが、そこには必殺技も遺伝もなく、ただ純粋に自己と向き合う高校生たちが描かれています。

 

才能と努力の結果、挫折した少年。才能と努力が、挫折にまで届かない少女。

竹谷は『週刊少年ジャンプ』のマンガ『SKET DANCE』や『背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~』を愛していますが、その理由として、主人公がいたって普通の少年少女、という共通点があります。

 

 

 

 

ハルクのように超人めいたパワーがあるわけでも、ソーのようにものすごい血統を継いでいる、といったこともありません。
(もちろん、マーベル大好きです。『エンドゲーム』について語る会をやりたいと常々思っています)

 

『クロス・マネジ』も同様に、むしろスポーツを題材にしたマンガとしては稀な「主人公が下手」というところから始まります。

 

主人公は2人と言っていいでしょう。
主人公の少年・櫻井は、とある挫折の先に見出せるものがなく、日々空虚に過ごしています。
もうひとりの主人公である少女・豊口は、ラクロスが大好きですが、そのプレイにはまったく才能を感じられません。

 

その2人の出会いから物語は始まり、
――少女は少年から、諦めかけていた「上手くなること」を――
――少年は少女から、忘れかけていた「楽しむこと」を――

知っていきます。

 

上手くなれない、できない、勝てない。それでも、楽しめるのか

上達への道筋を照らす思考型の少年と、ラクロスの面白さを伝え続ける感覚型の少女のもとで、チームは地道に成長していきます。

 

できなかったこと、もしくは、できないと思っていたことができた。

できた自分に対する妙な誇らしさ。


幼少期、親の手伝いをして「すごい!」と褒められた時、褒められたことよりも、できたこと自体が嬉しかったりします。

 

そういったある種の原始的な嬉しさを蓄えながら、チームは試行錯誤と鍛錬を繰り返し、個と集団の力を増幅させていきます。

 

当然、上手くなっても高い壁は築かれ、歩みを止めさせられます。
だからといって、眼前の勝負に挑まない理由にはならないわけです。
その時、少年と少女、そしてチームは、どう対峙していくのか。

 

楽しい。

強くなりたい。

勝ちたい。

そういった想いの先に手に入れられるものは。

 

無数の「できなかった」過去の上に立ち、それでも「できた」瞬間を実現するために行動を起こすひとの背中を押してくれる勇気が、『クロス・マネジ』には優しく詰められています。

 

 

>>>1~3話試し読みはこちら

 


 

最後に、登場人物の名前はほとんど声優さんに由来、もしくはもじっています。
竹谷は浅めの声優オタクですが、それを見つけるのもまたひとつの楽しみでした。

 

 

クロス・マネジ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
著者:KAITO
出版社:集英社
販売日:2013-06-04

 

 

全5巻セットもあります!!

 

 

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