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美人JKが抱える暗い現実“もうひとりの自分”が彼女へ投げかけた言葉は?『私と私』

美人で性格も良くて、みんなから好かれて……。

 

どんなに努力しても、手が届かないくらい「持っている人」に出会うと、自分のことがとてつもなくくだらない人間に思えてしまいます。

 

今すぐ自分の人生なんてやめてしまって、あの子に生まれ変わったらどんなに素晴らしいだろうか……。

 

そんな、モヤモヤっとした気分になった時に読んで欲しいのが、佐原ミズ先生の『私と私』です。

 

対照的な「タナカ ミワ」が織りなす切なく優しい物語

主人公・田中〈美和〉は、フランスに憧れるデザイナー志望の女子高生。

周囲からは、容姿と風変わりなセンスをばかにされてしまいます。

 

 

©佐原ミズ/NSP 2017

 

 

新学期、美和は、自分と同姓同名である田中〈実和〉と同じクラスに。

実和は、容姿端麗で運動神経もよく、おまけに手先が器用。

ひそひそとばかにされる美和と裏腹に、実和はクラスメイトから一目置かれます。

 

 

 

©佐原ミズ/NSP 2017

 

 

©佐原ミズ/NSP 2017

 

 

美和の存在もあってか、実和は自分をとりまく世界がどんどん嫌になっていくのです。

自分のことをばかにしてくる人たちばかりの学校も、平凡でダサい家族も。

 

ますますふさぎ込むようになる美和ですが、ある時、なんでも持っていると思っていた実和の知られざる一面を目撃してしまい、その考えは一変します。

 

 

©佐原ミズ/NSP 2017

 

 

相手を通じて自分の境遇を顧みる、というテーマだと、暗いだけのマンガになってしまう場合もあるかもしれません。

ですが、この作品は主人公たちの優しさが美しい筆致で描かれているため、読み終わったあとは、じんわりと温かな気持ちになります。

 

表題作『私と私』のほか、心を抉られるような切なさを描いた『箱庭の虜』を収録する読み切り短編集です。

ぜひ、ご一読ください!

 

>>>佐原ミズ先生『箱庭の虜』試し読みはこちら

 

コヤマの♪勝手にテーマソング♪
Billie Eilish-come out and play

 

私と私 (ゼノンコミックス)
著者:佐原ミズ
出版社:徳間書店
販売日:2018-01-20