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ほのぼの終末ストーリー。ゆるキャラが人生の終わりについて思考する名作『少女終末旅行』

こんにちは。神保町にある「漫泊 = 一晩中マンガ体験」MANGA ART HOTEL代表の御子柴です。

 

ほのぼのした日常漫画でもありながらも、死に近い終末世界を舞台にしているため、つい死について考えさせられる側面がある哲学的な作品をご紹介します。

 

救えない世界観なのに悲観的にならずに読める

 

世界が崩壊していくとか、デスゲームモノとか、「リアルでは起こりえないネガティブな世界観」を前提にした作品は沢山あると思いますし、自分も好きでよく読みます。

 

ただ、悲観的過ぎて、

「世界が崩壊するのは何故か? このデスゲームが何故この世界で起きているのか?」
など舞台設定が気になってしまい、その設定ばかりが読後感に残ることが多い印象でした。

 

でも、今回オススメする『少女終末旅行』はちょっと違うんです。

救われようのない世界の中で淡々とゆるふわ系日常を送っています。

そのため悲観的になることなく、主人公たちの“哲学”の展開を追うことができるのです。

 

 

 

 

©つくみず/新潮社

 

シリアスな展開と絶望の中でもゆるふわキャラが魅力の主人公の2人。

廃墟となった世界を彷徨い続ける少女〈ユーリ〉と〈チト〉を見ていると癒されます。

 

残った食料や水も常にあと僅かのギリギリ状態のはずなのですが、2人のキャラクターもあってか、どこか緩い印象を受けます。

おかげで悲観的にならずに2人の旅路を見守れる面白さがあります。

 

 

©つくみず/新潮社

 

 

 

©つくみず/新潮社

 

 

ほのぼの日常モノで終わらない深い哲学的思想

徐々に世界観が明らかになっていく、というような展開ではなく、2人の少女が廃墟での非日常的な経験から「生きる、死ぬ、とはどういうことか?」を学んでいくことに物語の核はあるように感じます。

 

人生という長旅に対しての捉え方が変わっていく。

 

そんな、新しい気づきを与えてくれる出会いや体験をする〈ユーリ〉と〈チト〉と、〈自分〉を重ね合わせてしまう不思議な旅をしてみてはいかがでしょうか。

 


©つくみず/新潮社

 

 

©つくみず/新潮社

 

 

全6巻で、続きが気になったら一気読みができるのも魅力。おススメです。

 

 

MANGA ART HOTEL に日本語も英語版も置いてあります)

 

 

>>>第一話・試し読みはこちら

 

 

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