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闇のお仕事楽しぃ~!ブラック企業のOLから殺し屋への転職は大正解!『幸せカナコの殺し屋生活』

幸せカナコの殺し屋生活』を一言で言うならば、
元OLが、「メンゴ!メンゴ!(>人<)」

と謝りながら、

「 (・ω≦) テヘペロ」

と言いながら、サクッと人を殺しちゃう。そんな漫画。

 

日常の闇を、笑いで描いたアンビバレンツな“ブラック”コメディーだ。

 

働き方改革の今だからこそ読む漫画

うら若きOLが、仕事に疲れ、世間に揉まれ、日常生活で気後れしちゃう。

で、そんな自分駄目だなぁ~といった少女漫画 『凪のお暇』がドラマ化するというので、レビューを用意していた。

 

そんなときに目に飛び込んで来たのが、この漫画『幸せカナコの殺し屋生活』(著:若林稔弥)だ。

働き方改革が叫ばれるだからこそ描ける漫画なのだ。

 

あらすじ
ブラック企業を満身創痍で退職したOL・西野カナコ。転職先はまさかの“殺し屋”!?  人殺しなんてムリムリムリムリカタツムリ????!! と思ったら、天性の才能が大開花!


『凪のお暇』の〈凪〉も、『幸せカナコの殺し屋生活』に〈カナコ〉も、周りに忖度しすぎ、空気読みすぎ、自分について根本的な自己肯定感が無く、仕事もプライベートも異様に自己評価が低い。

そして、ついつい自分探しをしちゃうことも、そんなに変わらない。

そんな彼女の新しい生活の物語が始まる。

そう、ここまでは同じ……。

 

けど、決定的に違うところがひとつある……それは、

 

〈カナコ〉は、――殺し屋 ――なのだ。

 

殺し屋というと、多くの人は『ゴルゴ13』を思い浮かべかもしれない。
だが、『幸せカナコの殺し屋生活』での〈カナコ〉は、巨悪は……討ちません!

国家の陰謀とか国際的な事件になりません!

 

殺す相手は、痴漢だったり、ヤクザだったりと、こじんまりしたその辺りの日常の小悪なのだ。

 

その活躍の姿を、日常生活と非日常の狂気、その狭間をキュートにポップに描いた漫画なのだ。

 

私は以前このマンガ新聞のレビュー、に『皇国の守護者』という戦記漫画について書いた。

その主人公は、戦争嫌いなのに、天才的な采配もつという意味で〈戦争の才能〉という能力について触れた。

 

そして、このマンガの主人公〈カナコ〉にも、感じるのだ。特異な能力を。

 

それは――“殺しの才能”

 

 

 

©若林稔弥/星海社

 

 

©若林稔弥/星海社

 

 

殺しの才能ってあるんだね。

OL時代は、死んだ魚の目をしていた主人公〈カナコ〉が、間違って殺し屋に転職してから生き生きしている。

 

それは、ブラック企業で得た所作(忖度をする、空気を読む)が、そのまま現場に活きる!

 

なおかつ、自我を殺し、怒りや悲しみを抑えて感情を出さいない業務遂行っぷりが、まさかの殺し屋適正にバッチリ当てはまるという皮肉!

 

カナコ大活躍!まさに殺し屋業界の異端児!

心の中では嫌でやりたくないことなのに、殺し屋稼業でホワイトな職場。

休日ありの定時上がり。

理解のある上司。

この裏稼業をすることで、表社会のブラック企業では得ることができなかった充実した日々を送るアンビバレンツ。

 

この異常と正常の狭間、特異なメンタリティーで、この仕事が天才的にできちゃう〈カナコ〉。

 

日常の倫理と、平凡な生活の感覚を忘れない〈カナコ〉。

 

そして、そんな〈カナコ〉を周囲の評価が伝説にしていく。

そんなギャップを〈カナコ〉視点で笑いにしたてている。

だからこその「殺し屋コメディー」なのだ。

 

林先生が言ってた仕事論

「今でしょ!」が名言の林修先生が、「仕事」についてこう言っていました。

 

好きなことはお金を払ってやる。仕事はお金をもらうことだから、自分がやれるやるべきことをやる。……っていうのが僕の考え方。

 

って、この言葉は意味するところは、〈カナコ〉は、ほんとうの意味でプロになったんだなぁと。

 

それを確かめるに読んでみては⁉

『幸せカナコの殺し屋生活』を!

 

 

©若林稔弥/星海社

 

 

 

©若林稔弥/星海社

 

 

 

>>ためし読みはこちら

 

こんな人におすすめ 

■自分の評価は低いけど何かをしたい人

■気持ちを上げたい人

■変わった笑いがしたい人

■ちょっとした日常の狂気を感じたい人

■動物ダジャレが好きな人

 

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