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『キャンディ・キャンディ』のいがらしゆみこ先生がデビュー50周年でぶつけてきたのは、「女優力」を悪用したどろっどろの復讐劇『エレクトラ!』

エレクトラコンプレックス。

これは女子が母親に嫉妬し、父親への独占欲を持つという精神分析の用語でギリシア神話がもとになっているそうで。この漫画のタイトルである「エレクトラ!」はそこに由来していて、元になるギリシア神話を日本の現代でなぞらえたような設定になっている。

最愛の父を失い、10年間も行方不明となった天才子役“遠山エレナ”が復讐を胸に芸能界へ電撃復帰をするという。

これはもしや?

読み進めているとなんとも実写化向きなどろどろドラマ風で、ぞくぞくさせるような駆け引きとか父親の不審死とか韓流映画的だなぁと思っていたら。
巻末の原作者コメントで、

「女性誌らしい韓流ドラマのようなドロドロの設定にしようと考え、」

とのこと。
なるほど意図的に組まれた設定だったのですね。

そんなこともあり、女性によるどろっどろの復讐劇をお好みの方には相性ばっちりな作品かと。



いい意味で「うわぁ~、これひいちゃうなぁ」というどろどろポイントは、やはり女優ならではのポジショニングがえぐいこと。

友人の最優秀主演女優賞をお祝いしに授賞式に現れておいて、友人のスピーチに便乗しながら芸能界復帰宣言とか。相手の見せ場のうばいかたがえぐいです、これ。

また、友人の舞台に行って、金で買収した女優を救急車で搬送し、自分が友人の役をぶんどって代役をするとか。
ちなみに友人は搬送された女優の役になるというグロさ。

友人に近寄って、次々とぶんどっていく様はいい意味でドン引きだ。
この遠山エレナみたいな人間には本当に辟易するが、女優力を悪用したやり口にぞくぞく感が止まらないわけでして。
『キャンディ・キャンディ』のいがらしゆみこ先生がデビュー50周年でぶつけてきたこのきわめてどろっどろな復讐劇から目が離せない。

現在、1巻が発売となったところでいがらし先生は、「これを私の最後の連載にします」とおっしゃっているそうです。

エレクトラ! ~罪深き聖女たち1 (光文社コミックス)
著者:いがらしゆみこ
出版社:光文社
販売日:2019-07-02


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いがらしゆみこ先生と 原作者佐藤博之さんのトークショーとサイン会が、紀伊国屋書店札幌本店で開催予定です!詳しくはツイートまで