TOP > マンガ新聞レビュー部 > 『ドラゴンクエストウォーク』『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』をもっと楽しむために『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』はいかがかな!

『ドラゴンクエストウォーク』『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』をもっと楽しむために『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』はいかがかな!

 

勇者が登場する作品は、今こそゲーム・アニメ・マンガで枚挙に暇がありませんが、竹谷の幼少期、勇者と言えば『ドラゴンクエスト』でした(ごっこ遊びでは、あえて戦士役を選んでいましたが)。

 

王様から下知を受け、魔王討伐へ向かう。
手には伝説の剣、盾を持ち、伝説の兜をかぶり、なんならセットアップの鎧をまとい、腕前は剣も魔法も一流です。
コナン君をして「伝説ずくめの奴」と呼ばしむるような感じです。

 

しかし、かの伝説的マンガ『魔法陣グルグル』において、「勇者は職業ではない」という説明があった時、竹谷の細い目から鱗が落ちました。

 

確かに、戦士や僧侶、武闘家などは、誰かの役に立つイメージがすぐ浮かびますし、なにか生計を立てられそうなものです。

非常に職業っぽいです。
ですが、勇者が職業かと考えるに、「凌げるか糊口」と小さな疑問符が頭をもたげます。

 

では、勇者とはなんなのか。

 

その存在意義を窺い知れるのが『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』です。
(以下「ロト紋」と省略させてください)

 

 

 

全15巻セットも発売中

 

 

初期のドラクエをベースにした王道少年マンガ

このマンガは、シリーズで言えば『ドラゴンクエスト 1・2・3』の所謂「ロト」シリーズを舞台にしています。
時系列としては 3 → 1 → 2 で、3 で出てくる最古の勇者が「ロト」と呼ばれます。

 

「ロト紋」では、3 と 1 の間に起こった出来事が描かれており、ロトの子孫である少年アルスが、仲間と一緒にものすごく強い敵を倒す物語です。

 

それだけ聞くと、ドラクエファンの方なら特に、どこまでも普通でシンプルな『ドラゴンクエスト』的内容だと思うかもしれません。
しかし、ゲームと大きく異なる点があるのです。

 

主人公が喋ります。

主人公が喋り、悩み、戦う。勇者とその仲間たちの、成長の軌跡を描く

 

RPGゲーマーの「あるある」として、『ファイナルファンタジー』と『ドラゴンクエスト』を比較してよく挙がる相違点に、「主人公が喋る・喋らない」があります。

 

寡黙なだけだ、という解釈もありますが、ゲーム『ドラゴンクエスト』おいて、主人公の意思はほとんどが

 

⇒はい
 いいえ

 

といったかたちで完結します。
(例外的に台詞がある時もありますが……)

 

ところが、「ロト紋」はマンガです。
吹き出しがあるので、会話もあれば心象も表現されます。

 

ゲームであれば、「はい/いいえ」の二択で終わってしまう主人公の意思。

そこに含まれる感情が、マンガの中では潤沢に描かれているのです。

 

主人公アルスは少年です。
ロトの血統を継ぐ子孫として、そして勇者として活躍を期待されていますが、少年なのです。

 

大切な者を喪失した時、難敵に挑まねばならない時、少年アルスはどう悩み、決断するのか。
そして仲間たちは、そんなアルスにどう寄り添っていくのか。

 

 

歩み続け、人々と出会い、強敵を打ち倒し、立ちあがるアルスの姿に、読み手は目が離せなくなっていきます。

 

勇者の勇者たる所以、その一端が、『ドラゴンクエスト』と「少年マンガ」の最高級な相乗効果でもって、このマンガには描かれているのです。

 

ドラクエ好きはもちろん、今までドラクエに触れたことのない方でも楽しめるマンガです!

 

お読みいただきありがとうございました!

 

【追記】

ところで、この記事を書いている時に、ドラクエ主人公たちの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』への参戦が発表されました。
しずえさん以外を使う日が、ついに来たようです。