TOP > マンガ新聞レビュー部 > お題「ゾンビがゾンビ語で会話していたらどうなる?」を秀逸な切り口で毎話IPPONをとってくる漫画『TALKING DEAD』

お題「ゾンビがゾンビ語で会話していたらどうなる?」を秀逸な切り口で毎話IPPONをとってくる漫画『TALKING DEAD』
TALKING DEAD (1) (ビッグコミックススペシャル)
著者:#author
出版社:小学館
販売日:2019-05-30

 

 

幼いころゾンビ映画を含めホラー映画は苦手だった。

 

それどころかお化け屋敷もダメで、ディズニーランドのホーンテッドマンションのエントランスで「もう出られない」みたいな声が聞こえてくるだけで目と耳をふさいで震え上がっていた。

『バタリアン』など前半の1時間でもう何かに隠れながらでもきつかった。

 

それが今はどうだ。

 

『プラネット・テラー』でゲラゲラ笑い、『ゾンビランド』を観た後にネットで激甘菓子のトゥインキーを注文したり、むしろこの手の映画が好物に変わっているという、不思議なもので。

 

映画『アイアムアヒーロー』なんて、日本映画でここまでやってくれたかという爽快感をえながら鑑賞した。

 

これらの作品にはどれも「この後のシーンでこの人、やられるでしょ~」とか「こういうところにゾンビが隠れているでしょ~」といったセオリーみたいなものがあって、おそらくそういうものの楽しみ方がわかってきて、好物に変わったのが自分のパターンなのかと。

 

そういったゾンビ映画セオリー好きの方のハートをずぎゅんずぎゅんと撃ちまくるのがこの作品、『TALKING DEAD』。

 

「アー」とか「ウー」と言っているゾンビたちにはじつはゾンビ語があった、というお題のもとで、それならこんなやり取りや駆け引きをしているだろう、という大喜利を毎回読み切りの構成で笑わせ続けてくれる。

めちゃめちゃ格好良いスタイルでやられている漫画で。

 

待ち伏せの段取りでやいのやいの相談したり、音がなるものに反応し続けてしまうゾンビの習性に気づきながらも、ぐだぐだとそれを受け入れていたり、ゾンビ特有のファッションについてゾンビがゾンビにコーディネートしていたり。

 

作者の大喜利センスがさえわたる贅沢なコメディ作品となっている。

 

コントや小劇場でこれをやったら面白いだろうなぁという広がりを感じるところもあり、今後が楽しみな作品となっている。

個人的には、絵柄がボドゲっぽいのでぜひ「TALKING DEAD」のボドゲ企画が出てくるとうれしいなぁと期待している。

 

 

ホラーの夏に向けて、ホラーを笑う本作をぜひお楽しみいただきたい。