TOP > マンガ新聞レビュー部 > 令和時代を生きる人に必要な「自分らしさ」を『着たい服がある』を読んで考える!

令和時代を生きる人に必要な「自分らしさ」を『着たい服がある』を読んで考える!

「自分らしさとは何か」

この問いに、一度は悩んだことのある人は多いのではないでしょうか。私もそのうちの一人です。

 

「このファッションは自分を表現している」「この髪型は自分のトレードマークだ」

 

果たしてそれは、本当に「自分らしさ」なのでしょうか?

もし自分の好きなモノやコトが世間で否定されたとしても、胸を張って「好きだ」「自分らしい」と言えますか?

 

今回ご紹介するのは、そんな「自分らしさ」と向き合い、生きていく上で切り離すことのできない「自己」と「他者」について考える漫画、『着たい服がある』です。

 

これからの時代を生きていく上で、ぜひ読んでもらいたい一作品です!

 

 

着たい服がある(1) (モーニング KC)
著者:常喜 寝太郎
出版社:講談社
販売日:2019-01-23

『着たい服がある』は、ただの「服マンガ」ではない

主人公の女子大生「マミ」には、誰にも言えない「秘密」があります。それは、「ロリータ服が着たい」。

マミは背が高く、クールな印象を与えるため、家族や友達から「かっこいい女性像」を自然と求められ、そのイメージから外れることに臆病になっていました。

 

けれど、周りの目を気にせず、奇抜なファッションで自分のスタイルを貫くバイト先の同僚「小澤くん」に感化され、徐々に「本当の自分」を開放していきます。

 

家や学校、職場、社会の中で「自分らしく」あるために、マミのもがき、傷つきながら答えを見つけていく姿が描かれた『着たい服がある』は、ただの「服マンガ」ではなく、他者との関わりに悩む全ての人に贈られる、真の「自分探し」の物語です。

 

登場人物を自分に置き換えて問いかけることができる

『着たい服がある』は現在、3巻まで発売されています。(※2019年6月現在)

 

1巻では、主人公が「自分の好き」や「自分らしさ」と向き合い、答えを探し出します。
2巻では、主人公が「自分らしさ」と「他者」との関わり方に悩みます。
3巻では、主人公が自分と他者を比較し、「自分らしさ」に対して「劣等感」を抱き苦しみます。

 

『着たい服がある』をオススメする理由の一つが、登場人物を自分に置き換えて、自分自身に「問いかける」ことができるからです。

 

 

マミは、とあるバーで「カヤ」という女性と知り合います。カヤもロリータ服を好む女性なのですが、マミとは違い堂々と自分の着たい服を着ていました。

 

「服をバカにされたら、自分自身をバカにされたのと一緒」というマミの発言に対しカヤは、「服が自分なんだとしたらさ、これ脱いだら自分じゃなくなるわけ?」と問いかけます。

 

 

カヤのセリフに胸中がざわついた人も多いのではないかと思います。

学生時代の私は正にそれで、奇抜な髪の毛や個性的なファッションを好んでいたのですが、理由は「自分らしさを表現したい」からでした。

 

自分に自信のなかった私は、奇抜な髪の毛と個性的なファッションを纏うことで、人とは違うという安心材料を得ていたんだと思います。

学生時代の自分が、カヤのセリフを自分に問いかけられていれば、もう少し早く「自分らしさ」を見つけることができたかもしれません。

 

 

他者を認めると自分を肯定できる

マミはロリータ服が好きなことを家族にも隠していました。けれど、本当の自分を開放していくにつれて、家族にもバレてしまいます。

 

母親は自分の娘がロリータ服を好んでいることを知り、自分の知らない娘がいたことに困惑してマミと衝突してしまいますが、マミは逃げずに母親と向き合います。

 

自分を開放する前のマミなら、直面した問題も、自分の好きなモノからも、逃げていたかもしれません。

 

人には皆それぞれに「自分らしさ」があります。

10人いれば10通りの「自分らしさ」があります。

 

他者を理解することは、他者を認めることだそうです。

そして自己肯定感は、他者を認めてはじめて生まれるものなのではないかと、『着たい服がある』を読んで感じました。

 

自分の好きなモノやコトが、誰かを勇気付け、誰かの助けになることもあります。ぜひ『着たい服がある』を読んで、本当の「自分らしさ」を見つけ、ワクワクする楽しい毎日を過ごしてください!

 

 

『着たい服がある』は、モーニングのサイトで2話まで試し読みが可能です!

 

 

着たい服がある(1) (モーニング KC)
著者:常喜 寝太郎
出版社:講談社
販売日:2019-01-23
着たい服がある(2) (モーニング KC)
著者:常喜 寝太郎
出版社:講談社
販売日:2019-03-22
着たい服がある(3) (モーニング KC)
著者:常喜 寝太郎
出版社:講談社
販売日:2019-05-23