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知ってるけどよく知らないカポエイラの世界『バトゥーキ』

美しさと強さを兼ね揃えた最強の文化、それがカポエイラ

カポエイラって知ってます??

元々奴隷として連れてこられた黒人たちが生み出したブラジル発祥の格闘技なんですけど、足技を中心とした一風変わった動きや、音楽を奏でながら舞うように戦う姿が特徴的で、一度見たら忘れないカッコ良さがあります。

 

ちなみに足技中心になったのは手枷をはめられていたからなんて説がありますが、どうやら違うらしい的な話もあって、まあそこは一旦置いておきますが、やはりポイントになるのはダンス的な動きです。

 

奴隷たちが支配者たちにバレないように生み出してこっそり練習をする必要もあったので、「戦う練習しとるぞ!反逆する気か!」ってならないように、あくまで娯楽としてダンスを練習してます的な体で広まったんですよね。

 

だから、ビリンバウやパンデイロといった楽器を演奏しながら舞うように戦うのが基本で、そんなスタイルからボクシングとか空手とかいわゆるガチガチの格闘技が好きな人たちには

「カポエイラは格闘技じゃないっしょ。てか実戦とか無理っしょ。絶対弱いじゃん」

的な扱いを受けることもしばしばあるわけで。

 

だから、格闘技マンガは数多くあれど、時々出てくるカポエイラ使いがいても、トリッキーな動きでちょっと翻弄するけど結果的には負ける脇役(しかもレギュラー出演はなくて、だいたい一試合くらいでもう出てこない)パターンが多いですし、ましてはメインとして取り上げたりカポエイラ使いが主人公のマンガなんて今まで存在してなかったんですよ。

 

でもね、YouTubeとかでちょっと調べて動画見てもらえれば色々出てくるんですけど、実際はかなり強い!

 

そして、ただ格闘技としてだけで発展してきたものではなく音楽やダンス、哲学的な思想まで含めたひとつの文化として、無形文化遺産にも登録されているくらい奥が深い!

 

だからこそ、そんなカポエイラの魅力を全力で伝えてくれる史上初のカポエイラマンガをご紹介します。

 

 

伝説のギャンブルマンガの作者がいろんな意味でカポエイラに挑む!

迫稔雄

『バトゥーキ』

 

 

ただでさえ前例のないカポエイラマンガですが、まさかまさかの作者は迫先生ですよ。

 

迫先生と言えば49巻という超大作『嘘喰い』という伝説的なギャンブルマンガで圧倒的な頭脳バトルを描かれた方。

 

頭脳バトルから肉体バトルである格闘技マンガへ180度変わったように一見思えますが、『嘘喰い』の中でも緊張感、躍動感といった表現の凄さや、ストレートに格闘バトルも結構描かれていて、これもまた迫力があってカッコ良かったので、格闘技マンガはドンピシャだと思います。

 

しかも、迫先生が描くんだから、当然ただの格闘技マンガでは終わらない。

 

主人公は女子高生。

両親だと思っていたふたりは、じつは他人で、本当の父親は凶悪な犯罪集団のボス。

両親役のふたりもその組織の人間だったが、主人公を守るために組織を抜け出し逃げていた。

でも居場所がバレて両親ともに捕まってしまい、彼らを人質に取られた主人公は闇バトルの世界に足を踏み入れていく……。

 

うん、全然普通の格闘技マンガじゃないですね(笑)。

 

でもそんな闇ばっかりの話ではなく、一方で普通の高校にも通いながら、そこで相手を倒すことだけではない文化としてのカポエイラを学んだり、友達や仲間たちとの学生生活も描かれていて、表と裏が見事に絡み合うところがより面白さを増してます。

 

あとね、絵が、ダンスでもあり格闘技でもあるカポエイラの魅力を、めちゃくちゃかっこよく美しく見事に表現していて、本当に凄い!

 

 

©迫稔雄/集英社 

 

 

なんでこんなにかっこよく描けるんだろうと思ってたんですけど、じつは迫先生ご自身でも実際にカポエイラを習ってらっしゃるんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

動画でも見られますので、先生の華麗なカポエイラをご堪能ください!(笑)

そんな迫先生が描く初のカポエイラマンガ『バトゥーキ』は現在3巻まで発売中なので、まだまだ物語は序盤も序盤です。

 

もしかしたらカポエイラの説明や複雑な背景を説明するために、最初の1巻は文字が多くて苦手に思う人もいるかもしれませんが、展開し始めてからはストーリーもバトルもめちゃくちゃ面白くなるんで、途中でやめずに是非3巻まで一気に読んでみてください。

 

あ~~一度生でカポエイラ見てみたいなあ。

 

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