TOP > マンガ新聞レビュー部 > このマンガの潮騒をキボンヌ『オンラインの羊たち』で浸るインターネット黎明期

このマンガの潮騒をキボンヌ『オンラインの羊たち』で浸るインターネット黎明期

キボンヌは(=希望する)で『潮騒は=詳細』。

『ドキュソは=DQN(不良や輩チックな人達の総称)』。
『マターリはまったりする』で、『キリ番』はキリのいい番号。
『踏み逃げ禁止』に『お礼は3行で』や『香具師と書いてヤシと読む』……。

 

皆さんはこんな言葉の数々をどれだけご存じですか?

 

これらはインターネット黎明期と呼ばれる時代に産まれた“流行語”の一部で、ネットスラングなんて言い方をしたりします。

 

『インターネット』という文化はわずか20数年の間に飛躍的な進化を遂げました。
今では当たり前な定額制なんて言葉は、この10年ほどの間の出来事です。

むかーしむかしは“テレホタイム”にモデムの音を聴きながら、はやる気持ちを押さえたり、ありえない額の請求書にビックリしながら親御さんに怒られたりした事覚えていませんか?

 

本日紹介するのはこんなエピソードの数々にピン! と来る皆様へのおすすめの一冊です。



 

 

 

タイトルは『オンラインの羊たち』。

舞台はback to 1999年、夏のとある片田舎。

インターネットが産声を上げてまだ数年の頃、主人公である中学生“めぐ”の家にパソコンが出現します。

当時はまだ高価だったパソコンですが、皆様も体験したように、めぐもインターネットの海へ……は直ぐには飛び込みません。

この時点ではめぐにはインターネットはまだ未知の体験。

そんなめぐはある日同級生にからかわれていたところを助けてもらった同級生で学級委員長の“エリカ”と知り合います。

 

エリカは真面目で堅物の委員長ですが、ある日にいじめにあってしまいます。いじめなんかでへこたれるようなエリカではありませんが、大切なモノをイタズラに捨てられてしまいますが、それを探してくれたのは他でもないめぐでした。

 

そして、めぐがエリカに連れられて来たのは、町のコミュニティーセンター。

そこでめぐは初めて『インターネット』の世界を目にします。

 

今まで自分の周りには居なかった同じ趣味の仲間たち。

ただバカにされるだけだった、自分の好きなゲームのことについて朝まで語れる人達や、自分の書いた絵を褒めてくれる人達に、めぐはすぐに虜になってしまいます。

 

以来、このコミュニティーセンターはめぐとエリカの二人だけの“秘密基地”になります。

 

そうしてめぐとエリカはインターネットを通じて様々な経験をします。
時にはインターネットが原因で傷つけあって、すれ違うこともあります。

 

それでも最後は友達として二人は仲直りします。

 

インターネット黎明期にはいろいろな事件がありました。
懐古主義とかオッサン乙なんて言われるかもしれないけれど、過去にどんなことがあって、どんな風にインターネットと向き合ってきたかの教科書や資料として、とても貴重な作品になっています。

 

一巻は紙版と電子版両方で刊行されていますが二巻以降は電子版のみの発売です。

元号も変わりましたけど、あの日に帰ってみませんか?