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「わかってくれる」と思うな!『マンガでわかる外国人との働き方』を読んで考えた、日本人のコミュニケーションについて

 

突然ですが、あなたの身の回りに外国人の方はいらっしゃいますか?

 

国会ではこの春から外国人労働者の受け入れを拡大し、

規制緩和して今までよりも容易に

就労できるようにしようと取り組んでいます。

 

そうなれば、当然今までよりも外国人と接する機会は

おのずと増えてくるでしょう。

そんなとき、お互いの価値観であったり、

文化の違いからコミュニケーションのすれ違いが

発生してしまうこともあると思います。

 

 

今回ご紹介するマンガは、

日本にいながら外国人と働くことになった日本人に、

彼らと接するときの心構えや考え方の一例を

面白く授けてくれます。

 

 

まずは、本作のあらすじをお話ししたのち、

その魅力をお伝えしていきましよう。

 

 

日本人が外国人と一緒に働くときの「あるある」シチュエーションを漫画で一つ一つ紹介し、実用的な対策を解説します。「『善処します』と断ったつもりなのに相手は承諾だと思った」「忙しいと察してくれない!」「締め切りとdeadlineは意味が違う」など現場でよくある事例ばかりです!

 

 

1. 日米で意味が違う「I’ll do my best」

 

 

日本人は建前を使う民族です。

 

本音では難しいと思っていても、

その場で相手には伝えず、ポジティブな発言をして

その場をやり過ごすことがあります。

そんな経験、あなたにも身に覚えがあるのではないでしょうか。

 

 

タイトルになっている言葉は、

日本語に訳すと「最善を尽くします」という意味になります。

本作の中では、難しい要求をしてきている

クライアントに対して主人公が

やんわり断るためとっさに言った言葉ですが、

これが実はアメリカだと

本当に言葉の通り受け取られてしまうってご存知でしたか?

 

 

キミ、そんなにやる気を出してやってくれるのか⁉

僕には難しくてどうやるのか想像もつかなかったよ!」なんて、

会議のあとに一緒に働くアメリカ人に言われてしまう可能性があります。

 

 

えぇっ!私は断ったつもりだったんですけど……」みたいな感じで

あとで伝えて、相手をがっかりさせる。

しかも、クライアントも外国人だったらなおさらです。

誤解を招く表現をしたとして謝らなければならないでしょう。

 

 

日本での表現は独特なものが多いです。

だから、日本で使っている感覚で言葉を使うと、

まったく別の意味に取られてしまうこともあります。

 

 

「トイレ借りてもいいですか?」って聞こうとして、

「Can I borrow the toilet?」って聞くと、

外国人に笑われてしまいますので気を付けてください。

 

 

2.相手との違いを尊重し、真摯にコミュニケーションをとる

 

 

日本では相手を思いやることや気遣うことが

美徳とされています。

 

 

それ自体は素晴らしいことだと思うのですが、

それが行きすぎたり、相手に無意識に強要するようになると、

いわゆる「忖度」になりますし、

「気遣い」がネガティブな意味で「気を遣う」に変貌します。

 

 

これらが横行している組織は、

社内のコミュニケーションがうまくいかず、

社員は上の顔色を窺って委縮し、

チャレンジ精神を失ってただ目の前の仕事を

右から左に流すだけ。そんな感じになるとぼくは思います。

 

 

もしそうなったら、

そんな組織からは改革もイノベーションも起こることなく、

ただゆるやかに衰退していくのではないか。そんな危機感を覚えるのです。

 

 

そんなとき、やはり求められるのは、

「相手と向き合ってコミュニケーションをとること」だと思います。

お互いが考えていることを伝えあって、

すれ違ったり誤解したりを繰り返しても、

それらを一つずつ解いていき、

目的に向かって話し合う。

そんな取り組みが必要になるのではないでしょうか。

 

 

いま、外国人と働く機会は増えています。

今回の法規制緩和をきっかけに、

外国人と働くということについて今一度考え、

ぼくらがより良い人生を送るために

必要な教養を身につけておいたほうが良いと思います。

 

 

本書を読むことをきっかけに、

あなたも自分が将来外国人と働くことになったときのための

シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか?
自分のふるまいを

きっと俯瞰して見ることができると思いますよ。

 

 

 

マンガでわかる外国人との働き方
著者:ロッシェル・カップ
出版社:秀和システム