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うつつをぬかしてこそ豊かな人生! 『濃爆おたく先生』

みなさんは好きな作品はありますか?

好きな作品があれば、それを語りたくなるものです。

 

今日は、それをとことん突き詰めた作品、

『濃爆おたく先生』をご紹介。

 

 

1・敗北してないからさ

 

本作の主人公・暴尾亜空(あばおあくう)は

学校の先生でガンダムオタクです。

より正確に言えば、ジオンオタクです。

 

さすがにガンダムは説明の必要がないと思いますが、

ジオンというのは番組上の敵方の国名で、

わかりやすく言うと、シャアがいるほうです。

 

ジオンは敵役なわけですので、作中で負けます

しかしそんなジオンを愛してやまないのが主人公というわけです。

 

ですので、彼は主に「どうやったらジオンが勝てるか」

いつも妄想しています。

 

 

2・イチバ・ンノウリィ少佐

 

さて、そんな暴尾に対し、さまざまなオタクたちが現れ、

妄想勝負を挑んできます。

 

中でも印象的だったのが、連邦軍(アムロがいるほう)

妄想を得意とする難平邪武郎(なんべいじゃぶろう)。

彼が語るのが連邦軍のパイロットで、

どの最前線にも一番早く現れる男

イチバ・ンノウリィ少佐です。

 

「あれ、そんな人いたっけ? 最近追加された新キャラ?」と

思う方もいるかもしれません。

いません

繰り返しますが、いません。

妄想の存在です

 

にも拘わらず、このイチバ・ンノウリィ少佐が

ファンの心をつかむのです。

 

具体的には、彼はガンダムの簡易量産型である

ジムにも一番乗り

連邦軍の拠点であるジャブローの防衛戦にも参加します。

 

このジャブロー防衛戦には、極めて有名なシーンがあります。

シャアの乗るズゴックの爪に、ジムが串刺しにされるシーンです。

 

そう、イチバ・ンノウリィ少佐がジムを駆り一番に出てきたなら

ズゴックに串刺しにされているはずなのです。

そのことを指摘された邪武郎は不敵に笑います。

 

それには理由がありまして、原作アニメを見ると

最初に登場したジムは、ガンダムと同型のビームライフル

ズゴックに対して連射しています。

 

ところが、次の瞬間串刺しにされているのは

別の銃であるスプレーガンをもったジム

しかも、ビームサーベルを左右逆に装備している

 

つまり、イチバ・ンノウリィ少佐は、

フィルムにも映らぬ猛スピードで

ズゴックの爪を回避したのです!

串刺しになったのは後ろから来た別のジムというわけです!

 

どうでしょうか?

面白い! と思った方も多いと思います。

 

ただ、これ全部妄想です。

だが、それがいい。

 

そして、これほどの妄想に対し、主人公暴尾は、

どんな妄想で迎え撃つのか?

わくわくしてきませんか?

 

 

まとめ・クリエイターの資質

 

と、このように、妄想だけでそこまで語れるのか?

という、オタクのオタクである根本を描いた作品であり、

その変態性を肯定した物語と言えます。

 

作中で、暴尾が

本当はパンチラを描きたいが、変態と思われるので

 日常とかを描いている」

というアニメ研究会の学生に告げる言葉こそが

この物語の本質を突くものです。

 

「お前を変態にしてしまうその衝動こそ、

創作者の真の資質。

 変態にしか作り出せぬ高いレベルの作品がある

 それを掴め」

 

私自身、ものを作る仕事に長く携わってきましたが、

これは真理だと思っています。

いいものを作る人の大半は変態です。(さわむら調べ)

 

そもそも妄想というのは、公式にないお話なわけですから、

妄想を始めた瞬間から創作者であると言えます。

 

妄想こそ、クリエイターの資質。

そして、それを変態にまで高めることができれば

きっとその人にしか作り出せない

凄い作品になるでしょう。

 

さぁ、あなたもこの本を読んで、

妄想の楽しさを感じてみませんか。

ザクレロ量産して連邦に勝とうぜ。

 

濃爆おたく先生1
著者:徳光康之
出版社:ナンバーナイン
販売日:2018-08-03