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あなたは「自分しか出せない音」に必死ですか?『BLUE GIANT』

非リアがトレンドになり、リアルで懸命に生きることがダサくなってきて久しいですが、リアルをダサかっこよく生きているリア充たちにもエールを送りたいと、いつも思っています。

今回、そんな私がレビューを書かせていただいたのは、主人公の才能に、人が動かされていく様子を心地よく描いたジャズ漫画『BLUE GIANT』です。

BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)
無料試し読み
著者:石塚 真一
出版社:小学館
販売日:2013-11-29

 

本気でなにかに取り組んだことのある人は、きっとこんな主人公にどこかで出会っているはずです。

 

©石塚真一/小学館


“その道”
に選ばれちゃった人——。

そんな人を目の当たりにすると、その人の持つ圧倒的才能への憧れや、嫉妬、自分の挫折感なんか超えて、清々しいまでに応援したい気持ちになることがあります。

 

音楽の世界では、テクニックも、知識も、練習量も果てしなくて、それは全て必要。

だけど、不思議なことに純粋にその人が出す「音」の力って本当にあって、努力だけではどうにもならない「音」に何かを宿らせることができる人がいます。

 

そういう「音」に出会っちゃった時って理屈抜きで、ああ、これが本物だってわかるんです。

 

 

©石塚真一/小学館

 

 

©石塚真一/小学館

 

©石塚真一/小学館

 

©石塚真一/小学館

 

人は「音」の前に、理屈抜きで魅了されてしまうことがあります。

 

この作品では、そんな「音」の魅力がすごくよく描かれているな、と思います。

音楽マンガとかスポーツマンガのあるあるで、どんな天才でもそんな急に上手くなったりしないってー!っていうのがあるけど、『BLUE GIANT』の主人公は、まだあまり上手くないっていうところから始まるのもいいなと感じています。

 

音楽を ”上手く演奏するための努力”は、孤独で果てしないものです。

そして、”上手く演奏できる才能”も、一握りの人たちだけのものです。

 

でも、本作ではそれだけではどうにもならない「音」に宿る才能を持った「ミュージシャン」が、超一流のプレーヤーへ到る壁も、ちゃんと描かれています。

 

 

 

©石塚真一/小学館

 

 

©石塚真一/小学館

 

作品のなかでは、敗北感じゃなくって、出会いによって自分も大きくなれる、相手に感謝出来るタイプの才能が描かれています。

 

自分の求める「音」に到達できると信じて、つねに才能と戦っている、すべてのミュージシャンを尊敬したくなる。

『BLUE GIANT』はそんなマンガです。続編の『BLUE GIANT SUPREME』と合わせて、ぜひ読んでみてください。

 

(レビュアー:  黒川)

 

BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)
無料試し読み
著者:石塚 真一
出版社:小学館
販売日:2013-11-29