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笑う門には”闇”来る?島民を洗脳する謎多きキモカワ神様の特徴を調べてみた『ゴールデンゴールド』

『刻刻』で漫画界に旋風を巻き起こした新人漫画家・堀尾省太さんの新作が、『刻刻』以上の謎と不気味さを兼ね備えてどえらいことになっている。

『ゴールデンゴールド』は、すでに名作の雰囲気をまとっているのではないだろうか。

 

 

ゴールデンゴールド(1) (モーニング KC)
著者:堀尾 省太
出版社:講談社
販売日:2016-06-23

 

 

今回の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、寧(ねい)島。

昔、福の神が立ち寄ったという話があるものの、今は特に観光地化もされておらず、観光客はここ10年ほどほとんどいない。そんな島に住む女の子・早坂琉花が海岸で汚いキモカワ仏像「フクノカミ」を拾ったのをきっかけに、実家の民宿が突然繁盛し始める。

 

今まで平穏に暮らしてきた島の人々は、気付かないうちに「フクノカミ」に洗脳されていってしまうーーのか。

 

 

©堀尾省太/講談社

 

 

このインパクト、トラウマ級の可愛さ。 

 

日常の中に異質なものを取り込むことで徐々に世界が歪んでいくさまが描かれているのは、前作と同じようなスタイルである。

1巻だけを読んでも今後の展開が読みきれず、妄想は膨らむばかりだ。

 

そこで今回は、僕と同じような悩みを抱えているであろうみなさんのためにも、『ゴールデンゴールド』の今後を占いそうな島のキーワードと、未だ謎の多い「フクノカミ」の特徴を調べてみることにした。本作を読み解く上でぜひ参考にしていただきたい。

 

 

福の神の島、寧島

 

 

今は観光地化もされていない寧島だが、10年前に民俗学者が訪れていると、琉花の祖母は話す。その民俗学者は、福の神の島を探していたそうだが、1日ほどで帰ってしまったという。

この島における情報はそれほど多くないが、引っ掛かったのはこの島にある神社が「厳島神社の分社」であるということも、今後の物語に影響があるかもしれない。

 

神社を掃除する人の言葉「福の神ゆうんがおるとしたら 多分それ自身がモノカネを引き寄せる力じゃろうけえ」も引っ掛かる。

物語を読み進めていくと、「フクノカミ」はたしかにモノカネを引き寄せる力がありそうだ。
 

※余談だが、広島県尾道市にあり、瀬戸内海に浮かぶ小島で「厳島神社の分社」となると、この島のモデルは岩子島(いわしじま)かもしれない。更に余談を言うと作者の堀尾省太さんは広島出身。

 

 

徹底解剖!「フクノカミ」5つの特徴

 

 

特徴その1: 普通に食べるし飲む

 

©堀尾省太/講談社

 

 

飲み方のクセがすごい。

なお、食べる姿についての目撃情報はない。

 

 

特徴その2: 島民じゃない人には動く仏像として映る

 

©堀尾省太/講談社

 

 

せんとくんに似た可愛らしさがにじみ出る。

ちなみに、琉花は呉市?から島に来ているから純粋な島民ではない。琉花と話す二人も、本州からの宿泊客なので不気味な仏像に見えている。

 

 

特徴その3: 寧島の人にはちっちゃいオッサンに見える

 

©堀尾省太/講談社

 

 

「どう見ても男の人や。年は…50?」!?

 

「人間に見えるっていうより そこに居て当たり前っていう印象を与えているようなーー」と、琉花は表現している。

 

 

特徴その4: 福の神が居座ると、商売繁盛する

©堀尾省太/講談社

 

 

そして普通にしゃべっている。

長年の友だちよりも金儲けを選ぶ祖母。もはや金に目がくらんでいる。せにゃあいけん!

 

 

特徴その5: 福の神と長いこと一緒に居ると、顔が福の神になる

 

©堀尾省太/講談社

 

 

完全にトラウマものである。

このシーンは何度見ても戦慄する。テンションもジェットコースターのように急降下してしまった。

 

以上が、1巻で明らかになった「フクノカミ」の特徴である。
他にも、本州に連れて行くと商売繁盛の効果がなくなる、本州に戻ると「フクノカミ」の記憶がなくなる、など付随する情報も少なくない。

果たして「フクノカミ」は島全体を蝕み、闇に包み込んでしまうのか。それとも福を呼び込むのか……。

 

日常が徐々に蝕まれていくさまは実に不気味に描かれているものの、僕自身は、「フクノカミ」はもしかしたら非常にピュアな動機で行動しているのではないかと考える。

その鍵を握るのは、主人公の琉花。

「フクノカミ」は琉花が拾い、琉花の手によって実体化したようなものだ。さらに琉花に親しい人間が金儲けをしているのを見るに、彼(と呼んでよいのかどうか)の目的はきっとこれに違いない。

 

 

©堀尾省太/講談社

 

 

「フクノカミ」良い奴説を提唱したい。

寧島にアニメイトを建てます(大胆予想)

 

レビューには1巻の情報しか詰め込んでいない。ここからの展開、どうなっていくのか。果たして寧島にアニメイトは建つのか(建たない)。

読んで確かめてみてください。

 

 

ゴールデンゴールド(1) (モーニング KC)
著者:堀尾 省太
出版社:講談社
販売日:2016-06-23

 

 

そして『刻刻』も、まだの方はぜひ。絶対続きが買いたくなるので要注意。

 

<レビュアー:小禄 卓也>

刻刻(1) (モーニング KC)
無料試し読み
著者:堀尾 省太
出版社:講談社
販売日:2011-09-30