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とんでもないサプライズ映画『麻雀放浪記2020』をコミック版で読み解く! 川口 比呂樹

無事、4月5日に公開となった話題の映画『麻雀放浪記2020』は、とにかくぶっとんだ作品だった。

 

あの伝説の名作『麻雀放浪記』の続編ではあるものの、ジャンルはコメディというかアートというか、とにかくみんなで笑おう!といったもので、既存の「続編」という概念を破壊し尽くす勢いを感じた。

 

 

主人公の坊や哲「九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう)」を出して、1945年から未来である2020年にタイムスリップという強烈さから始まり、その未来も東京オリンピックが中止になった後の2020年というダーティーな設定。

 

とにかくこの「九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう)」が麻雀の枠を超えて超常現象化していることに驚愕だ。

しかも現実の出来事とリンクしているかのようなサプライズ展開もあり、もう観る方の頭の中をいいようにひっかきまわしてくれる強烈なエンターテイメントに仕上がっている。

 

そして、斎藤工もも(チャラン・ポ・ランタン)竹中直人ベッキーたちが、強烈な世界観に負けないぎらぎらとした熱演を繰り広げる贅沢な1時間58分となっている。

 

なかでも岡崎体育演じる「ドク」は、静かなる狂気をはらんでいて印象深いので、ぜひ劇場でご覧いただきたい。

ちなみに白石監督作品では常連の音尾琢真は、AbemaTV麻雀番組プロデューサー役でいつも通りしっかりと美味しい出演の仕方をしていたし、ピエール瀧も、出演シーンが少ないものの存在感のある役どころだった。

 

さて、そんなとんでもない作品にコミック版が発売されていることを皆さんはご存知でしょうか?

 

麻雀放浪記2020 上 (近代麻雀コミックス)
無料試し読み
著者:清水 洋三
出版社:竹書房
販売日:2019-04-01

 

このコミック版は上下巻となっていて、上巻は割と映画通りになぞるように進行し、下巻で「え?そうだったの」を連発してくる内容となっている。

映画版ではむしろ深い解説なしにしていたような部分が、漫画で丁寧に描かれている。

 

とくに麻雀五輪の決勝戦にのぞむメンバーが、それぞれどういったいきさつでここまで来たのかが語られている部分が映画との違いとなっている。

 

私は劇場で鑑賞後にこのコミックを読んだのだが、AIユキなど各キャラへの見方がだいぶ変わった。

また、映画版と違うエンディングになっているため、「映画版の続編があるとしたら?」といった予感を感じさせるものになっている。

映画版のパンフレットと共にお楽しみいただくことをおすすめしたい。