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人生で大切なことは全て“寿司”から学んだ。『江戸前の旬』という安心

どうもー!グルメマンガレビューには定評のある森本です。

 

さて、いよいよというか、満を持してと言うか、

ついに、この作品をレビューする時が来たようです。

 

一応このレビューを持って現行のマンガ新聞レビューの最終回となります。

 

とはいえ、単純に新しいサイトシステムに移行するだけなのでそんなになにか変わるという事では無いですね。より便利に皆様にマンガをお届けできるようになるようです。楽しみですね。

 

さてそんな今回僕がお届けする作品はこちら

江戸前の旬 1
著者:九十九森
出版社:日本文芸社
販売日:2012-12-07

 

そう、その作品こそ

江戸前の旬

現在世の中にある『寿司漫画』でこれほどまでに巻数を重ね、一人の少年が青年となり成長していく物語が、そして今流行りの“スピンオフ作品”もいち早く取り入れてきた作品は僕の知る限りこの作品のみです。

 

主人公は銀座にお店を構える『柳寿司』の三代目“ 柳葉旬(やなぎばしゅん)”物語の開始時にはまだ高校を卒業したばかりのひよっこもひよっこの駆け出し寿司職人、憧れのツケ場はまだまだ遠い舞台です。

 

そんな旬でしたが今では推しも押されぬ柳寿司三代目として、立派に跡を継ぎ一流の親方なりました。

結婚もし一人娘もでき、朴訥だけど真面目な弟子も育ち、終生のライバルとも切磋琢磨しています。

 

現実と同様今年は築地から豊洲に市場も移り変わりゆく時代の中で昔気質の寿司職人として日々を過ごす旬とその仲間たちのお話もなんと今年で20周年を迎えさらに連載1000回も突破し昨年末には実写ドラマ化もされましたそんな本作の魅力は何と言ってもですね。

 

いつでも同じ場所で同じ味を

 

です。これはどういうことかと言うと、江戸前の旬の作中では基本的に目新しい回はほぼ無いです。

いつ読んでも旬かその周りの人達の人情噺に寿司が添えられています。マグロの話なんて何回やってんだよってくらいです。

 

普通、グルメマンガって対決とかするじゃないですか?いやもちろんそういうのもありましたよ!

例えば終生のライバル吉沢大吾との勝負!そしてそこで勝負を通して芽生える友情とかそういうめっちゃ熱い話とかも有るんですよ!けどそれはこの旬の寿司職人としての人生の中でほんの僅かな出来事でしかないんです。

確かに寿司勝負回も死ぬほど面白いんですけど。そこも、見どころ!

 

で、この作品が他の寿司漫画と違うのって、所謂トンデモ回がまずないところです。

“あの幻の魚”とか求めて荒れまくった海に釣りに出たりとか、海苔の養殖場を丸ごと燃やしたりとかは無いです。

辛うじて買い占めがうん。ある…かなくらいです。だって現実にはそんなことしないじゃないですか普通は。

 

あとグルメマンガの対決回でよくあるのが、後から出てきた方が美味い問題とか主人公が気が回らなくて(実際は大したことではないんだけど)ポカしたりとかもほぼありません。旬が思いついて試したらまぁ大体上手くいきます。

 

そして何よりグルメマンガでお馴染みの

『良かれと思ってやった事が裏目に出て失敗してしまう』

これがまぁ無いです。旬が『これだ!』てなって行う工夫や技巧はまぁまずちゃんと成功します。ここ!めっちゃ大事です!

これが他のグルメマンガとはひと味違うところです。そうです、柳寿司ではいつもちゃんと誰かが幸せになるのです。

 

確かにワクワク感や新キャラによる荒れた展開は無くなってきました。でもですね、いつでも『週刊マンガゴラク』誌上では天牌の前にはこの『江戸前の旬』が居るんです。そしていつでも柳寿司では旬が僕達に美味い寿司を握って待ってくれてるんです。これこそが安心!これが粋てやつですよ。

 

そんなわけで全97巻しかもまだまだ終わる気配すらないこのお話にいきなり追いつくのは至難の業ではありますがこの作品同様にゆっくり追いついてもらえればと思います。