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あの話題作に漫画で追いつく!『おっさんずラブ』でトキメキをもう一度
やっとマンガ新聞のレビューでこのコンテンツを取り上げられるーーいまそんな思いで一杯です。
 
なぜなら2018年にテレビ朝日が深夜帯で放送したドラマ「おっさんずラブ」のコミカライズ版の単行本が発売になったから。
ドラマのいいところは失わず、漫画らしいテンポと自由自在のキャラクターの表情が満載のこの作品。
 
元のドラマが好きな人、気になっていた人、そして「結局あのブームになったコンテンツはなんだったんだ」と思っている方に、読んでいただきたいです。
 

深夜帯発のヒットコンテンツ「おっさんずラブ」

 
「おっさんずラブ」は2018年春に、テレビ朝日の深夜時間帯に放送されたTVドラマです。
公式サイトでは「この春いちばんピュアな(おっさん同士の)恋愛ドラマ」と説明されており、女性を中心に多くの人を熱狂させました。
 
本編のすばらしさに加え、ツイッターやインスタグラムといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の使い方も絶妙で、「作り物語のはずなのに、登場人物は自分たちと同じ次元に生きているのではないか」と思わされる設計だったことも、ヒットを後押ししたと思います。
 
この夏にはキャストはそのままに、劇場版の公開が控えています。
 
 
おっさんずラブ(1) (KCデラックス)
著者:山中 梅鉢
出版社:講談社
販売日:2019-03-13
 

恋愛を直球で描く

 
漫画を読む方であれば「おっさん=男性同士ならボーイズラブ(BL)でしょう」と考えられるかもしれません。
  
しかしこのコミカライズは、BL雑誌・サイトではなく、競技カルタ漫画『ちはやふる』や、小野於通を取り上げた『イシュタルの娘~小野於通~』など物語を重視する女性漫画誌に掲載されました。
 
描かれる関係そして微妙な心の移り変わりは、真正面から直球の恋愛物語なのです。
 
 
恋した相手とのちょっとした触れあいでのトキメキ、恋をしていい相手なのか戸惑いつつもでも踏み出したいと思う心、恋のためなら誰にでも立ち向かう気持ち、そして自分が想定していなかった人から思いを一方的に寄せられたときの驚き・戸惑い・拒否感ーー主要な恋愛模様の登場人物は、全員20歳以上の男性ですが、「BLでしょう」と敬遠するのはもったいないと思います。
 
そして彼らを取り巻く女性陣がみな、かっこいい。
今まで自分が経験したことがないことを目にしたとき、驚いても否定はしないーー簡単そうで難しいことをさらりとやり遂げているからです。
 

2次元ならではの表現も楽しい 

 
ドラマはキャラクターの動きや表情、そして展開や設定などが「現実社会ではありえない」と思ってしまうほど、やや極端に、でもコミカルに描き、絶妙なリアルとの距離感を作り上げていました
 
 
2次元の漫画という表現になることで、リアルからの距離はもう少し遠のきます。一方で、泣いたり笑ったりといったキャラの表情、驚いたときの動きなど、豊かな感情の変化の表現は、「表に出せない感情」も含めて、2次元だからできる自由さが生きています。
 
そして、公式監修で、どことなくドラマのキャストに似せたキャラクターの造形は、先行するドラマを作った人に敬意が感じられて個人的にすごくうれしかった。
 
ドラマが好きで好きで思い入れが強い人には、ぜひ自分のお気に入りのシーンがどのようにうまく表現されているのかを見ていただきたいです。
 
 
おっさんずラブ(1) (KCデラックス)
著者:山中 梅鉢
出版社:講談社
販売日:2019-03-13
 
 
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