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なんか『GANTZ』っぽい?男性にもお勧めしたい『殺人プルガトリウム』

仕事柄、よく「男性にお勧めの少女漫画は?」と聞かれます。

鉄板なのは『BANANA FISH』です。

 

BANANA FISH(1) BANANA FISH (フラワーコミックス)
著者:吉田秋生
出版社:小学館
販売日:2012-09-25

 

少女漫画にあるまじきハードボイルド・サスペンス。

エイジとアッシュのBL作品になっちゃった後半はともかく、男女のキュンキュンとか一切ないし、手に汗握る面白さです。

 

 

『7SEEDS』も個人的にお勧めしています。

 

7SEEDS(1) (フラワーコミックスα)
著者:田村由美
出版社:小学館
販売日:2013-04-26

 

タッチが大変少女漫画っぽいので、絵が大丈夫な人、という前提になりますが、かなり本格的なサバイバル冒険ものです。

 

半袖ミニスカートで雨に濡れながら洞窟で寝泊まりしたり、食料も地図もなくフラフラ山に分け入って演劇の訓練をするような、現実離れしたサバイバル描写の多い少女漫画で、『7SEEDS』は群を抜いてリアルに感じられます。サバイバルしたことないから想像だけど。

私はこれを読んでから、ほかの作品のサバイバルシーンが薄っぺらくて読めなくなりました。

 

 

男性ファンが多いのは、意外にも魔夜峰央さん作品です。

BLシーンがあるので個人的には少し躊躇してたのですが、圧倒的な科学や最先端技術がギッシリ詰まった『パタリロ!』などは、知的好奇心をしっぽり満たしてくれるようです。

 

パタリロ! 1 (白泉社文庫)
著者:魔夜峰央
出版社:白泉社
販売日:2013-07-25

 

これらの作品では、イケメン至上主義的な壁ドン胸キュン展開は皆無なのでご安心ください。

 

 

さてこのたび、これらの作品に加えて、男性にイケそうな作品を新たに発見しました。

『殺人プルガトリウム』です。

 

殺人プルガトリウム 1 (バンブーコミックス タタン)
著者:小手川 ゆあ
出版社:竹書房
販売日:2019-01-19

 

主人公は、幼い頃に養父に引き取られ、暗殺者として育てられた玄(ハル)。おや、もうすでにハードボイルドな香りが。

 

厳しい訓練の末に暗殺者になった玄は、殺伐とした生活から逃れるために養父を殺し、逃亡生活に入ります。

そうして20年ほど経ったあと病院で亡くなるのですが、目が覚めてみると、そこは死後の世界で、自分が殺した養父も元気に暮らしている……というもの。

 

その死後の世界がなんなのかまだよくわからないのですが、個人的にはなんだか『GANTZ』っぽい感じがしてます。

(あくまで個人の感想です。念のため)

 

GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
著者:奥浩哉
出版社:集英社
販売日:2012-12-21

 

玄は死後の世界で養父と暮らしながら、養父が引き取った養子たち……同じ暗殺者だった自分の兄弟を探し始めます。

そして彼らにはまた死後の世界で、それぞれ特有の事情があるようで、さまざまな事件が起こっていきます。

 

家族愛、執着、葛藤などが描かれていて、かといって壁ドン胸キュン展開はなし。

最近の少女漫画によっくよくある「お友達を作るのに躊躇して空気読んでたいへん」みたいな、アムロ・レイ以上にグズグズ言って悩む設定もなし。

 

2019年1月に1巻発売、3月に2巻発売と、まだ連載が始まったばかりなので、追いかけるなら今がチャンスですぜ。

 

ちなみにタイトルにある「プルガトリウム」とは、超危険な元素の名前……ではなく、カトリックの用語で「煉獄(れんごく)」だそうです。

この世でいのちを終えた人は、いい人なら天国に行くし、悪者は地獄へ行く。

でも地獄に落ちるほどではない場合、煉獄に行って苦難を受け清められたあと、天国に行けるらしいです。

 

なるほど、そう言われると、玄たちがいる死後の世界がどういうところなのか、少し分かるような気がしますね。