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ゾンビの次はニンジャ!『アンダーニンジャ』は花沢健吾流に再構築された現代忍者の物語

『アイアムアヒーロー』で一世を風靡した花沢健吾先生が新たに選んだテーマは「ニンジャ」でした。

 

ちなみに「ゾンビ」も「ニンジャ」も欧米ではゲームや映画などさまざまな作品が作られ続けている、世界的に人気の高いモチーフです。

本作は、誰もが知っている「ニンジャ」の要素を分解して、花沢健吾流に再構築した作品といえます!

 

舞台は現代の日本。

かつて栄華を誇った忍者たちは、戦後GHQによって解体させられ消滅したはずでしたが秘密裏に存続し、今では国家規模の紛争や破壊工作で活躍していました。

 

その数はなんと20万人!しかしその全てが最前線で活動しているわけではなく、末端の下忍の中には職にあぶれるものもいました。主人公の雲隠九郎はそんな一人。

 

安アパートに寝転がり暇をもてあましていた彼の前に、宅配業者の格好の中忍が現れ「任務」を与えます。

現代の忍者は、さまざまな職業に擬態して密かに活動しているわけです。

 

「任務」は小さな段ボール箱でした。

開けてみると中には高校の制服とパーカーが一着。

この高校に潜入しろ、ということでしょうか?

 

物語は九郎の住む安アパートの住人たちとの緩いやり取りから進行します。

隣の住人の冷蔵庫からビールを盗んで飲んだりしている姿には緊張感のかけらもありませんが、その背後では、さまざまな出来事が進行しています。

 

タイトルにもなっている『アンダーニンジャ』は、現代日本における忍者組織の存在意義そのものにつながる「謎」のようです。

そして、九郎が受けた「任務」は、その謎にもつながる重大なもののようです。

 

 

ちなみに花沢健吾先生お得意のリアル描写は、本作にも健在です。

高校の制服と一緒に渡されたパーカーが、今回のシンボルともいえるガジェットになっていて、とにかく描写の細かさが半端ないです。

 

口元まで上げたチャックを隠す布の縫い目や、額当て部分の布を引っ張り出すときに指を引っ掛ける穴など、自分が装着するときの感触が想像できるくらいに細かく描写されています。

 

防刃・防弾の上に、さらに決定的な機能が秘められており、はっきり言って「これ欲しい!」と思ってしまいました。

 

そして壁のぼりのアクションはパルクール。

説得力のあるなめらかな動きは、パルクールパフォーマーチーム「URBAN UNION」が協力しているそうです。

 

今後もパルクールアクションが大きなポイントとして描かれていく事でしょう。

忍者とパルクール。実に現代的でクールな組み合わせですね。

 

高校潜入後は、一気に登場人物も増えて物語も複雑さを増していくと思います。

真ヒロイン的な女子高生とかも出てきそうな気がします。

 

今はまだ助走中の一巻。

ここからリアルタイムに物語を追いかけていきましょう!

 

 

アンダーニンジャ(1) (ヤングマガジンコミックス)
著者:花沢健吾
出版社:講談社
販売日:2019-02-06