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転校生の(ヤンキー)少女がみんなと仲良くなるために頑張り始めた習慣とは?『ぼっちJKはお弁当を作ることにした。』
レビュー執筆者:いづき

ほのぼの漫画『ぼっちJKはお弁当を作ることにした。』

 

柚井ふうこ先生の『ぼっちJKはお弁当を作ることにした。』の1巻が発売されました。

 

タイトルにもある通り、ぼっちJKがお弁当を作ることにする話なのですが、ぼっちはぼっちでも、いわゆる陰キャで孤立……というタイプではなく、ヤンキー的見た目で恐れられている、避けられ一匹狼系ぼっちでございます。

 

このヤンキーJK・吉野雅ですが、実際ヤンキーというわけではなく、金髪ピアスなのも別に田舎では普通で、そのテンションのまま東京に越して来たらなんか引かれたっていうあれ。本人はむしろみんなと仲良くなりたいと思っている、健気で可愛らしい女の子です。

 

その見た目から誰も近づいてきてくれないし、自分から話しかけようにもやたらとビビられてしまって上手くいかないというジレンマに苦しむ吉野さん。その現状を打破するためにチャレンジすることにしたのが、クラスメイトが楽しそうに話していた「お弁当」を作ることでした。自分で可愛いお弁当を作れば、それにクラスメイトが食いついてきてくれるという魂胆。で、早速作って学校に持っていったのですが、狙いの女子たちは見向きもしてくれず。けれども狙いとは別の、相馬くんという男子だけが話しかけてくれて、そこから段々と輪が広がり……というようなお話。

 

ヤンキーに見えるけど実は普通というのは割とありがちな設定で、極めて不器用なだけというのが定番だったりするんですが、吉野さんに関しては、そこまでコミュニケーション能力に難ありという印象も無く、本当にただただタイミングが悪く誤解されてしまうという、「持ってない女の子」という印象。

 

中身はかなり健気で真面目な女の子という感じで、めちゃめちゃ親しみやすくて可愛らしいです。そんないい子ですから、いざ付き合ってみるとそのギャップから評価上がりまくりなわけで、徐々にクラスにも打ち解けていくようになるのでした。

 

一応メインはお弁当作りなのですが、いわゆるグルメマンガにありがちな、一手間一工夫を加えて美味しくする……みたいなレシピ本的要素は無く、たまごやきや唐揚げ、たこさんウインナーなど、本当にオーソドックスなお弁当メニューを作っていきます。そうそう、なんか凝りだすと途端に遠い存在に感じてしまうんですが、こういう定番メニューを、ただただ普通に作ってくれた方が、親近感が湧くし、むしろ男子的にはポイント高いんですよね。この徹底して凝らないところがメチャメチャ好印象でした。

 

1巻ではゼロの状態からの友達作りと、少しずつ広がってきた人間関係の中で生まれる恋だったりといった、学園モノとしての押さえるべきポイントをしっかりとカバーして物語は展開されていきます。こちらのストーリーも、これといってひねった内容にはなっておらず、至極真っ当なんですよね。お弁当作りもそうですし、余計なことをしないからこそ、すごく読みやすくて面白い。コメディベースで進むテンポの良さも相まって、あっという間に読み終えてしまいました。

 

たぶんこの作品、嫌いだっていう人いないんじゃないかな。それぐらい間口が広く、多くの人が楽しく読める作品だと思います。オススメです。

 

 

ぼっちJKはお弁当を作ることにした。(1) (KCデラックス)
著者:柚井 ふうこ
出版社:講談社
販売日:2018-10-12

 

 

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