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「好き」に何度でも触れたくなる漫画『溺れるナイフ』

こんにちは、小柳かおりです。

今回ご紹介する作品は、ジョージ朝倉さんの『溺れるナイフ』(講談社/既刊17巻完結)です。

 

本作は「別冊フレンド」で2004年から2014年の10年間連載された少女漫画で、2016年には映画化もされました。

ジョージ朝倉作品を愛して止まない私自身は、「先生の代表作は?」と問われれば迷わず『溺れるナイフ』と答え、「好きな漫画は?」と問われれば『溺れるナイフ』と答える程、溺愛している作品です。

 

溺れるナイフ(1) (講談社コミックス別冊フレンド)
無料試し読み
著者:ジョージ 朝倉
出版社:講談社
販売日:2005-03-11

 

 

 

ジョージ朝倉先生の魅力

 

ジョージ朝倉先生はコメディからシリアスな作品まで幅広く描いていて、どのキャラクターも魅力的です。そして何よりオシャレ!

 

恋愛、ファッション、最先端のカルチャーを作品に取り入れており、王道少女漫画の中で飛び抜けて鋭いのです。

登場人物には何かしら尖ったところや毒があり、王道少女漫画誌(別冊フレンド)でここまで描いていいんかい!とデビュー当時からかなりの衝撃を覚えました。

 

でもそれがジョージ朝倉先生の持ち味で、どの作品にもそのエッセンスが投入されており、コメディ漫画でもただのコメディ劇に終始しない、面白さの源泉になっていると思っています。

 

 

尖った青春時代を思い出させてくれる漫画

 

あらすじ(Wikipediaより)

東京で雑誌モデルをしていた小学6年生の美少女望月夏芽は、ある日突然父の故郷である浮雲町(うきぐもちょう)に引っ越すことになる。東京から遠く離れた田舎町には刺激がなく、自分が欲する「何か」から遠ざかってしまったと落ち込む夏芽だったが、長谷川航一朗(コウ)に出会い、強烈に惹かれていく。

 

二人は強烈に惹かれ合うも、とある事件きかっけに人生を変えていきます。想いが強いからこそ離れ離れになり、他の人と付き合ってはまた惹かれ合い、最初で最後の恋を成就させていきます。

 

好きな人を目で追ったあの頃とか、頑張って話しかけてみた甘酸っぱい思い出とか、初めて味わった恋愛の切なさとか、そういうセンシティブな思い出を思い出さずにはいられません。痛いほど青春が詰まっている漫画です。

 

それ故に、読む時には精神状態が安定している時がいいとも言えます。

 

 

「好き」は理由もなく「好き」である

 

10代絶対説はあるか?――勝手に名付けましたが、つまりは10代までに得た経験や価値観が、絶対的尺度であることを意味しています。(当たり前のように言われていますが…)

 

10代の頃は、損得もなく、利害もなく、ただ純粋に「好き」という気持ちで突っ走れていたのだと、大人になってその変化に気が付いたりします。

学生時代に好きになったもの、好きになった人は今でも絶対的存在で、ふと思い出しては、昨日のことのように、その時のその場所に帰れたりします。

そして、その時の新鮮で純粋な気持ちを取り戻して、自分を再生していくのです。

 

――そういう意味で、私にとって、10代絶対説はあるのだと思っています。

 

『溺れるナイフ』はそんな自分の大切な記憶を思い起こさせる漫画であり、学生時代に感じていた気持ちを見事に描いてくれていると思います。(もちろん、漫画のようなセンセーショナルな出来事はありませんが…)

 

「好き」に理由なんてなく、一度「好き」と認識した「好き」はきっと永遠に変わらない。

純度の高い「好き」に何度でも触れたくなる。そして『溺れるナイフ』のような二人に憧れてしまう―――。

 

私の「好き」が詰まった作品です。

 

 

溺れるナイフ(17)<完> (講談社コミックス別冊フレンド)
著者:ジョージ 朝倉
出版社:講談社
販売日:2014-02-13

 

 

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