TOP > マンガ新聞レビュー部 > マンガ文化の英才教育の答えはここにある『魔夜の娘はお腐り申しあげて』懐かしい男性同士の恋愛もの文化も

マンガ文化の英才教育の答えはここにある『魔夜の娘はお腐り申しあげて』懐かしい男性同士の恋愛もの文化も

マンガが日本文化のひとつとなってもう○十年。

2019年にはあの大英博物館で、「Mangaマンガ」と題した特別展が開催されます。

 

もう世界の人々の中には、「マンガに囲まれて育った」という人も少なくない。

そんな人の姿を垣間見せるのが山田マリエさんの『魔夜の娘はお腐り申しあげて』。マンガの英才教育の究極の姿がここにあります。

 

魔夜の娘はお腐り申しあげて
無料試し読み
著者:山田マリエ
出版社:エブリスタ
販売日:2018-12-10

  

 

『パタリロ!』という日本の少女マンガ史に輝くコメディ漫画(なのでしょうか?)の名作があります。

1話読み切りが多いコメディマンガで、単行本で100冊を超える長寿作品です。

 

  

パタリロ! 100 (花とゆめコミックス版)
著者:魔夜峰央
出版社:白泉社
販売日:2018-11-20

 

 

作家は魔夜峰央先生。『ラシャーヌ!』など中心に、長年雑誌『花とゆめ』で活躍されてきました。

 

『魔夜の娘はお腐り申しあげて』の山田先生は文字通り、この魔夜先生の娘さんです。

 

子供のころから男性同士の恋愛の英才教育

 

長く漫画家をしている人の元で育ったからこそ受けられた、英才教育――それは魔夜先生ご自身の作品はもちろん、魔夜先生が公言されていた「美少年好き」に関連する作品の数々。

 

魔夜家には自然と美少年もの、男性同士の恋愛(当時はまだ、BLではなかった・・・)関連の雑誌やマンガが送られてきていたのです。山田先生はこれらの作品に触れ、男性同士の恋愛に目覚めたもよう。

 

作品中でも、山田先生は魔夜先生から「竹宮惠子先生の『風と木の詩』だけは読むように」といわれたエピソードを明かしてくれます。

 

さらにあの男性同士の恋愛を扱った雑誌の名前も!私も昔、どきどきしながら書店で買ったことを思い出しました。

(具体的なタイトルは作品を読んでご確認ください。往年の男性同士の恋愛ものが好きな方なら「ああっ!!」となります)

 

そんな環境で育った山田先生は、みごとに男性同士の恋愛好きの方に。しかも家にあった雑誌の回覧を通じて、お友達に「布教」されたそうです。

 

今の本やマンガ好きの一部は、確実に親の本棚やコレクションから影響を受けているはず。私もそのひとりです。

インターネット含め、いろいろな文化に子供の頃から触れられるようになったとはいえども、やはり一番身近な環境である家庭の影響は少なくありません。

 

そのため、最近はマンガ好き同士が集まると「はたしてどこまで子供に自分のコレクションを見せられるか」という話になります。古今東西、マンガ作品に過激な表現は少なくないからです。

 

しかし魔夜家は、そんな話はどこふく風。

魔夜先生の作品はもちろん、「魔夜先生が愛しみ楽しんでいた世界」を当時子供だった山田先生らも共有していたことが感じられます。それはそのまま、親子の絆になっているのでしょう。

 

子供とどう自分の趣味を共有するか――こう考えている方、魔夜家の例を参考にしてはいかがでしょうか。

 

 

魔夜の娘はお腐り申しあげて
無料試し読み
著者:山田マリエ
出版社:エブリスタ
販売日:2018-12-10