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ザワザワとした不安感に覆い尽くされ、行き場を失う…圧倒的な演出で「鬼畜」が描かれた異色作品『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』

この作品を読んで、僕は頭を抱えてしまった。

 

堀江さんのレビューを読んで、興味を持ってすぐに買ってみた。

そして、1話目を読んだら、止まらなくなり、最新話まで読んだ。

それで、この作品をレビューすることは、いいことなのだろうかと考えこんでしまった。

 

この作品に出てくる主人公は、鬼畜だ。共感の余地がない。

作者は、先が気になる演出の仕方をよくわかっている。その技術はすごい。そこに敬意を表して、レビューを書きたいと思った。

 

でも、同時に、このような作品を世に広めることは、いいことなのだろうか?と考え始めて、僕は頭を抱えた。

この作品を読むと、ザワザワとした不安感が、胸に残る。

そして、その不安感は、僕らをどこへも連れていかない。

 

僕は、作家は想像力を人々が幸せな気持ちになるために使ったほうがいいと考えて、編集をしている。

もしも、僕が担当編集者だったら、作品のあり方を少しずらすように提案していただろう。

 

編集者として、僕は、この作品の持つ価値観に共感できない。しかし、この作品が持つ圧倒的なパワーは認めざるをえない。

これを生み出した作者・編集者はすごいと思う。

 

 

そんな風に僕が思わされた作品のタイトルは、『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』

 

あなたは、作品は面白ければいいと思うタイプだろうか。

それとも、作品はこうあるべきという考えがあるタイプだろうか。

 

 

君が僕らを悪魔と呼んだ頃(1) (講談社コミックス)
著者:さの 隆
出版社:講談社
販売日:2018-03-09