TOP > マンガ新聞レビュー部 > 全員狂人!致死量オーバーの悪意と狂気と猟奇が日常を...

僕たちの生きているこの世界には、本当か嘘か分からないような「不思議な話」が溢れている。

 

UFOやUMA、フリーメーソンといった世界規模の謎や陰謀論から、村の祟りや神隠しと言った都市伝説に近い話まで、実に様々だ。中には、退屈な日常に少しでも刺激を得たいがために作られた話だってあるはずだ。

 

僕が好きなBAZOOKA!という番組で、「お化けの出てこない怖い話」という企画がある。プレゼンターたちは、それぞれ実体験や身近な人に起こった怖い話をするのだが、内容が「練馬区のギャングたちの抗争」や「風俗店のM嬢の痛い話」や「元殺し屋に取材した話」などで、聞けば聞くほど浮世離れし過ぎてにわかには信じられない話ばかりだ。

 

インターネットで「怖い話」と検索すると、900万件近い検索結果が出る。僕たちは、どうしてこうも「怖い話」や「不思議な話」に弱いのか。

 

外れたみんなの頭のネジ』にも、そんな僕たちの好奇心を満たしてくれる物語が多く掲載されている。

 

外れたみんなの頭のネジ 1 (アース・スターコミックス)
著者:洋介犬
出版社:アース・スター エンターテイメント
販売日:2016-11-12
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あらすじ: 主人公・ミサキは街に住んでいるみんなが少しずつ狂っていることに気が付いている。そして彼女にしか見えない謎の悪魔・べへりん。徐々に侵食してくる恐怖!一体何を信じて良いのか―... ホラー界の奇才が紡ぐサイコ&マッドネスコミック!!

 

人に話すと災いが降りかかる「ビクの生首」という謎に悩まされたり、

©洋介犬/COMICSMART INC.

 

病院に行くために乗ったタクシーの運転手が見た目を裏切らない異常行動を起こしたり、

©洋介犬/COMICSMART INC.

 

ミサキの記憶から「姉」存在がすっぽり抜けてしまっていたり、

©洋介犬/COMICSMART INC.

 

自分の住んでいる街がこんな人たちで溢れていたら2秒で引っ越すレベルである。ミサキは思う、「世界は最初から狂っていた…?」と。

 

そして気づく。

©洋介犬/COMICSMART INC.

 

「どこかで!

 みんなが!

 何かに!

 決定的に狂わされたんだ!」と!!

 

そこからミサキは一つのヒントを掴む。それが「6月13日」という日付だ。

©洋介犬/COMICSMART INC.

この作品は基本的に一話完結のオムニバスなのだが、断片的にエピソードが繋がっており、物語は歪ながらも前進する。最近発売された4巻では、1巻に登場した「ビクの生首」の全容が明らかになったりする。

 

話ごとにランダムに物語が構成されているかと思いきや、突然過去の話とリンクし始めるため、恐怖が忘れた頃にやってくることもしばしば。この構成も相まって、展開の先が読めずいっそう不気味さを助長しているのだ。

 

主人公のミサキは、街を、人を「狂っている」という前提で見定める。しかし中には「あれ?そんなにおかしくないんじゃない?」という物語もあり、そもそも「狂気」とは何かが徐々に曖昧さを醸し出してくる。

 

安全圏から眺める怖い物語ほどおもしろいものはない。しかし、それがいざ我が身に降りかかるとどうだろうか。案外、興奮は最高潮に達し自分の中にある潜在的な狂気が顔を出し、禁断の扉を開いてしまうかもしれない。もしかしたら、自分が一番狂っているのか……。本作を読みながら、あなた自身の狂気を確認してみてはいかがだろうか。

 

【他のレビュー記事も合わせてどうぞ】

自分以外、全員狂人が住む街という怖すぎ漫画『外れたみんなの頭のネジ』

 

マンガトリガーでも今週配信を開始したばかりなので、こちらで試し読みがてらアプリを覗いてみてほしい。

 

 

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書きました。「みんな狂ってる」とかいいつつ「自分も狂ってるかもしれない…」と思い始めて最終的に自我が崩壊する感じは嫌いじゃないです。今のところまだそこまでは展開していないですが。

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