TOP > マンガ新聞レビュー部 > シヴヤ暴動勃発!バットと人間の頭を使ってスイカ割り...

1990年代のあの頃、「AKIRA」と「TOKYO TRIBE」が本棚にあると格好良かった。

 

ともに暴力をからっと描き、男同士特有のかわいてはいるが熱い友情を描いていた。

 

両者に共通するのは、チームでの暴力。

 

相手のチーム員を殺してしまう事にはためらいがないが、仲間になにかあると一致団結をしてとてつもなく燃え上がる。

 

この『TOKYO TRIBE』では、シヴヤとシンヂュクにそれぞれチームがある。

TOKYO TRIBE
著者:井上 三太
出版社:SANTASTIC! ENTERTAINMENT
販売日:2017-11-09
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無軌道なお兄ちゃんたちがシヴヤやシンヂュクを根城のように徘徊している。

 

シヴヤとシンヂュクは対立関係にあって、相手の縄張りに迂闊に足を踏み入れるとリンチや拷問が待っている。

 

今、思い出すとあの頃の渋谷や新宿は今より怖かった。

 

喧嘩を目にすることもあったし、エアマックス狩りとかもあったし、とにかく路上につっ立っているお兄ちゃんやおじさんが多かった。

 

モブキャラのようにただ立っているお兄ちゃんやおじさんがたくさんいるのって、あれはなんとも怖い。

 

怖いといえば『TOKYO TRIBE』でよく話題に出てくる名シーン。

 

人間の頭をスイカに見立てての「愛のスイカ割り」ゲーム

 

相手のチームに拉致されたお兄ちゃんが暇つぶしの用に遊ばれる。

 

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©SANTA INOUE/SANTASTIC! ENTERTAINMENT
©SANTA INOUE/SANTASTIC! ENTERTAINMENT
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©SANTA INOUE/SANTASTIC! ENTERTAINMENT

 

目隠しをしたお兄ちゃんがバットを振り下ろすといわんこっちゃない、頭をぱっかーん。

 

殺されたシンヂュクのお兄ちゃんの体に「絞殺死体」と落書きが入っているのがなんとも切ない。

 

それ違うじゃん。「絞殺死体」じゃないじゃん。

 

このあたりの虚無感もまた井上三太作品の特徴だったりする。

 

この他にも「せつないのオオオオオ」という名台詞が本作にはある。

 

「こいつ切ないな」と思いつつ暴力をふるう。

 

ちゃんと暴力をふるわれた側の気持ちになって暴力をふるう。

 

恐ろしいかぎりで。

 

こういった人間の攻撃性を描いている部分は、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』や『フルメタル・ジャケット』に通じるところがあり、その観点でも読んでいただければと思う。

 

そして、個別の暴力の連鎖が大きな暴力を生む。

 

シヴヤ暴動。

 

チームどうしの戦いによって、近年のハロウィーンもしくはポケモンGOの鳥取砂丘のようにシヴヤに人だかりができてぶつかり合う。

 

スポーツで同じチームを応援するサポーターどうしが熱くなるサマの暴力版のようでなんともすさまじい。

 

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©SANTA INOUE/SANTASTIC! ENTERTAINMENT
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©SANTA INOUE/SANTASTIC! ENTERTAINMENT
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©SANTA INOUE/SANTASTIC! ENTERTAINMENT

 

『TOKYO TRIBE2』は園子温監督によって2014年に映画化されたが、この『TOKYO TRIBE』もキューブリック映画のようなテイストで映画化されたらよいなぁと日々夢想している。

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