TOP > マンガ新聞レビュー部 > 作家 よしながふみの行きつけの店とは?『愛がなくて...

※この記事は2017年4月29日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。
レビュアー:杉田 千種

愛がなくても喰ってゆけます。
作者:よしなが ふみ
出版社:太田出版
発売日:2005-04-16
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独身の女性漫画家・YながFみ

『きのう何食べた?』の美味しい家庭料理に射止められた人は多いだろう。美しく描かれる手順、提案されるひと手間、そしてバリエーションに富んだレシピから、作家・よしながふみが料理上手であり、そして食べることを愛する人間であることは容易に想像がつく。

本作は、そのよしながふみが、かつて上梓した食レポ漫画だ。

主人公は独身の女性漫画家Yなが。多忙を極める彼女の身辺の出来事が語られながら、1話につき1店舗ずつ、彼女の愛してやまないお店が語られていく。

ちなみに、この漫画には注意書きがある。

「この話は全てフィクションです。実在する人物とは一切関係ありません。ただし、この物語に登場するお店は、すべて実在しています」
 

粋な漫画である。

保存版・グルメガイド

2005年に発刊された作品なので、残念ながら現在は閉店してしまっているお店も中にはある。けれど、10年以上たった今も、本書はグルメガイドとして、実に役に立つ。いわば保存版のグルメガイドとなっているのだ。

それはよしながさんの美味しいものへの情熱が、いかに激しく、そして確かなものか、ということを証明している。

お店の場所や地図、予算はもちろん、初めて行ったときに頼むべきおすすめメニュー、そしてどういうメンバーやシチュエーションで楽しめるかが漫画のエピソードにからめられて、さらりと説明されている。

ちなみに、美味しいものに目がない私は、紹介された全15店舗中、9店舗を制覇している。この本に出ているお店で、ハズレたことが一度もない。(そして来月10店舗目の予約をとりました…!)

純粋なストーリーとしても、もちろんすばらしい。コミカルに語られるが、住み込みのアシスタントのS原とYながの友情を超えた関係性には、感動を覚えずにはいられない。二人はいつだってフェアで、本音で語り合っていて、そのやり取りは、言葉こそ汚いものの、とても美しい。

本書を読むと、美味しいものを作る人、食べる人、分かち合う人、すべてが愛おしくなる。そして、美味しいものが好きな人を、信用したい気持ちでいっぱいになる。

やっぱり、美味しいものがわかる人には愛がある。

そう思わずにはいられない。

そして……、第二弾の刊行を心待ちにしています!

きのう何食べた?(12) (モーニング KC)
作者:よしなが ふみ
出版社:講談社
発売日:2016-10-21
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