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〜やれたかもしれない夜を照らせるのは、唯一 やれたかもしれないという光だけ〜

※この記事は2017年7月20日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。
レビュアー:佐伯 ポインティ

 

やれたかも委員会 1巻
作者:吉田 貴司
出版社:双葉社
発売日:2017-06-28
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 吉田貴司さん(@yoshidatakashi3) の
『やれたかも委員会』を読んで思い出したことがあります。

大学生の頃。
グループで発表する授業で、
同じグループになった子と、意気投合して
どちらからともなく飲みに行くことになったんです。

その子は、茶髪のショートカットで、
目が大きい丸顔の活発な子です。
くびれがあって背が高い子でした。

その子ははっきりいって、エロ可愛い子でした。
キュートも、セクシーも、持っていました。
でも、彼女には彼氏がいました。

飲みに行った当日、かなり盛り上がりました。
1軒目、2軒目、と進んでいき、
23時頃、ダーツバーにたどり着きました。

23時頃の、道玄坂の、ダーツバーです。

ダーツが進むにつれ、
気付けば、向こうから、
サラッとしたボディタッチが増えていました。

投げる。
13点のダブル。
イエーイ。(サラッ)

投げる。
5点のシングル。
おいー。(サラッ)

ダーツを投げては、
勢いのないハイタッチのような、
サラッとした、上半身へのボディタッチ。
三角筋、大胸筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋。

ダーツを待ってるのか、
ボディタッチを待ってるのか、
分からなくなった頃、彼女が言いました。

「ねぇ、わたし、DVD観たい。」

23時45分の、道玄坂で、「DVD観たい。」

どこで…?
と聞いて、“答え”を言ってもらいたい
気持ちで頭がいっぱいになりました。

「いいね、俺も観たい」と連れ出すのが正解なのか。
「何観る?」と一旦広げるのが正解なのか。
「この時間からDVDってー!」と触れるのが正解なのか。

しかし、その時、
長考に入ってしまった僕は、
「あー…」と言いながら、
ダーツを投げにいってしまったんです。

ダーツを投げて戻ってきたら、
彼女からのサラッとしたボディタッチはなかったんです。

時刻は、24時を少し過ぎた頃。
これからどうしようかという空気になったとき。

「わたし、明日バイト朝からだから、
そろそろ帰るわー」

とスマホを見ながら言われました。
そして僕も、帰りました。
「今日は楽しかった!また飲み行こー!」というLINEを打ちながら。
その後、彼女とは何も起きませんでした…。

その日から、『やれたかも委員会』1話が公開されるまで、
ずっと、「えっ、DVDは?」と思っていました。
でも、DVDはもういいんです。

やれたかもしれない夜を照らせるのは、
唯一 やれたかもしれないという光だけ

『やれたかも委員会』の素晴らしさは、
エピソードの面白さだけではありません。
やれたのか。やれたとは言えないのか。結局、正解は分かり得ない。
でも、この漫画を読んだ人は、
寂しく1人で帰った夜を、
「やれたかもしれない夜」として成仏させられるのです。

この漫画を読んで、自分の中のやれたかもしれない夜を振り返って、大事にしてあげて下さい。

レビュワー 佐伯英毅(@boogie_go)

「やれたかもしれない夜があるからこそ
人はあと一歩前へ 進もうとするのだから」

やれたかも委員会 1巻
作者:吉田貴司
出版社:電書バト
発売日:2017-06-27
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