TOP > マンガ新聞レビュー部 > もう忘れた?日付を誰も知らない熊本地震から一年後の...

被災地と呼ばれる町でも、生活はたしかに続いている。

※この記事は2017年4月13日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。
レビュアー:今村 亮

知っていますか?熊本地震の日付。

熊本地震から一年が経ちますが、あまり熱心に報道される様子はありません。メディアの風化はさみしいなあ・・・と感じます。

ほとんどの人が熊本地震がいつ起きたのかさえ知りません。「3.11」とか「9.11」みたいなメモリアルデイを定義しにくいせいかもしれません。

熊本では震度7の地震が二度発災しました。「4.14」と「4.16」です。どちらの日付を覚えるべきか難しいところです。しかも二回目の揺れは日付をまたぐ深夜だったので日付を間違えがちです。

そもそも熊本では二週間のうちに総計3024回の余震が起きました。メモリアルデイというよりは「あの二週間は毎日揺れとったばい」というのが熊本地震の実感です。


筆者は熊本出身です。発災日は東京にいましたが、翌日に熊本へかけつけました。ぐにゃぐにゃに波打つアスファルト、避難所になった母校、避難生活中の母、全壊してしまったばあちゃんの家。メディアで取り上げられなかろうとも、筆者には忘れられない光景がたくさんあります。

そんなことを思っていたときに、こんなツイートを発見しました。

そうだ。『ネココの熊本地震日記』があるじゃないか。震度7の恐怖や、避難生活のリアリティを、被災地ど真ん中から記したWEB漫画です。筆者も去年レビューを試みました。
 

ネココの熊本地震日記


糸井重里さんがtwitterで紹介したことで『ネココの熊本地震日記』は大きな話題になりました。こちらが当時のツイートです。

『ネココの日記』は今どうなっているんだっけ?どんどん気になってきました。
 

WEB漫画『ネココの日記』の更新は続いているのか?

ひさしぶりにアクセスしてみたら・・・更新されていました!


『ネココの日記』
http://mcs.world.coocan.jp/nekoko.html

ネココさんは地震の困難を乗り越えて少しずつ日常に戻りつつある、とエッセイ漫画にまとめられていました。半壊した自宅の復旧工事が終わったこと、東北に家族旅行へ行ったことなどが描かれています。よかったよかった。

・工事はみ~んな進んでないらしい編
・進まない日常ネココ - 暑い夏! - 編
・工事、ついにスタート! - ヒビ割れた壁 - 編
・2017 あけましておめでとうございます!

糸井重里さんもその様子を注目しています。


一方、ネココさんが銀河鉄道に乗って旅するファンタジーも描かれています。

・ネココ銀河鉄道の夜 - 旅立ちの銀河ステーション
・ネココ銀河鉄道の夜 - 第二話 - 銀河で腹ごしらえ
・銀河でポケモンGO - ネココ銀河鉄道の夜3
・ネココ銀河鉄道の夜 第四話 - あこがれのサソリの火

地震エッセイと同じ筆致・同じキャラクターで描かれるので、日常と幻想が地続きになったような不思議な読後感があります。この震災がネココさんの創作活動にどんな影響を与えたのかわからないけれど、地震がネココというキャラクターの輪郭をくっきりと際立たせたことは間違いないように感じます。

だからと言って、熊本にもう地震は起きないでほしい。ネココさんの漫画は地震とは関係なしに楽しめるほうがいい。震災が教えてくれる教訓はいつも日常の大切さです。日常を大事にしなくては。

筆者が所属するNPO法人は、100%寄付を頼りに被災地で中学生の学びの居場所を運営しています。支援先は益城町といいネココさんの住む町の隣町になります。

益城町は熊本地震の震源地でした。あの春を境に町並みは大きく変わり果てました。崩れ去った風景も、今ではがれきも片づき、がらんどうとした道沿いに、延々と連なる仮設住宅が立ち並んでいます。誰もが日常を失い、復興の長期化から免れることはできない町です。

筆者は微力ながら、この町の日常に寄り添っていきたいと思います。

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