TOP > マンガ新聞レビュー部 > 日本最初のセックスから戦国キリシタンのエロ懺悔まで...

※この記事は2017年2月20日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。
レビュアー:上原 梓

昔から、すごーく面白いなあと思っているものがあります。それはズバリ、エロス!風俗店の名前とか、めちゃくちゃ秀逸なもの多いですよね?『タイタニック』が流行れば「パイパニック」、冬季五輪でモーグル勢が活躍すればノーパンしゃぶしゃぶの鍋の上で「コザック」が展開され、リーマンショックの後には「リーマン・ブラジャーズ」なんていうお店もできる。時流に乗るエロスたち!AVのタイトルもなかなかで、最近気になるのは『チン・ゴジラ』。ヤリシオ作戦ってどんな作戦なんでしょうか?

ここまで突き詰めた感じ、日本独自の文化な気がするんです。日本人、さては世界にも類を見ないほどエロスに対する追求心が発達しているのではないでしょうか?

なんて漠然と思ってたわけですが、それがこの作品で確信に変わりました!日本人、大昔からエロス大好きだった!いまVRの技術がAVで高まっているのも、日本人のDNAに刻まれてるエロス探究心のせいだった!そんなわけで今日ご紹介する作品はこちら。

セクシィ古文! (ナレッジエンタ読本 8)
作者:田中貴子×田中圭一
出版社:メディアファクトリー
発売日:2008-05-21
  • Amazon
セクシィ古文<セクシィ古文> (メディアファクトリー新書)
作者:田中 貴子
出版社:KADOKAWA / メディアファクトリー
発売日:2012-10-17
  • Amazon Kindle

国文学者の田中貴子先生と、手塚治虫先生タッチの絵柄でご高名、最近は『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』で話題の田中圭一先生がタッグを組み、エッチな古典文学を紹介するという最強の一冊です!

例えば…

確実に古文の時間に習ったタイトル、『宇治拾遺物語』にこんな話があるの知ってましたか?

さて、小侍の十二三ばかりなるがあるを召し出てて、「あの法師の股の上を、手をひろげて、あげおろしさすれ」とのたまへば、そのままに、ふくらかなる手して、あげおろしさする。(中略)あやにくにさすり伏せけるほどに、毛の中より、松茸の大きやかなる物の、ふらふらと出て来て、腹にすはすはと打ちつけたり。
(『セクシィ古文』第1章「すごいアソコ!」内「ち◯ちんを捨てたお坊さん?」より引用。嫁入り前にて一部伏字にさせて頂きましたが、書籍内に伏字などいっさいありません!そこにシビれる!あこがれるゥ!)

腹にすはすはと打ち付けたり」を現代語訳しますと、「腹をスパンスパンと打った」とのことです。超面白い!すはすはて!800年経って逆に新しい!『宇治拾遺物語』オモシロすぎるじゃないですか。知らなかったYO!

この『セクシィ古文』では、まず上記のような古文の原文が掲載されています。その原文を、「絶対エロスなことが書いてある」という目で読むとあら不思議。自然と意味が浮かび上がってくるのです。

そして原文の後には、待ってました!我らが田中圭一先生によるマンガやイラストで現代語訳が紹介されています!それを読みながら脳内で答え合わせができるのです。

さらにその後には、国文学者の田中貴子先生が、当時の文化風俗背景を交えてそれぞれのセクシィ古文を解説してくれるので、当時の人や内容がグッと身近になって「ああ、同じ人間なんだなあ」と興味が膨らむ一方なのです。

章立てを見るだけで、徹頭徹尾 古文エロスを追求した書籍かがよく分かります。

第1章 すごいアソコ!
第2章 同性愛もOK、OK!
第3章 ひとりエッチ
第4章 THE・変態!
第5章 普通のセックス?

いいですか?これらにまつわる古文が読めるんですよ?面白くないわけないじゃないですか!

いやー、もう、マジで現役の中高生が羨ましい!受験勉強だと言い張って読める漫画として『あさきゆめみし』がありますが、この『セクシィ古文』も合わせて読んだ方が古文への造詣が深まって成績が上がります!受かるよ!何かに。(キッパリ)
書店のカバーかけちゃえば『セクシィ古文』とバレないし、田中圭一先生の漫画部分読んでる時に部屋に急にお母さんが部屋に入って来たとしても、パパッとページめくれば古文が載っているわけですからエロスがバレません!
大人だって、話のネタとして仕入れておくべきです。「この人のシモネタはちょっと知的…?」と下品を超えた何かをゲットできます!(キッパリ)

余談ですが、私が1番好きなセクシィ古文は、第5章に出てくる「キリシタンの性の告白」です。戦国時代の日本人キリシタンが、ローマから来た修道士に自分の性の乱れを懺悔したもので、修道士がローマ字で聞いたまんまを口語でメモったものの「翻字」です。(戦国時代の日本語の口語を修道士がローマ字でメモ→ローマで翻訳されて発行→日本語に逆翻訳という流れも興味深い)

これ、戦国時代の人のエロ話が口語で読めるんですよ!?その内容がなかなかのアレでして、かなり面白い!「私はダブル不倫しまして、とにかく思うがままにしました!嫁としてる最中に愛人を思い出してました!」などなど、こんなに具体的に懺悔する必要あるの?と400年前の男に突っ込みを入れざるを得ないし、これを聞いてメモしなきゃいけなかったローマ人修道士の気持ちを思うと、こみ上げる笑いが抑えられません。いとをかし!

果たして戦国キリシタンの性の懺悔とはどんなものだったのか、その懺悔を田中圭一先生はどんな風にマンガに起こしたのか、是非その目でお確かめください。

ちなみに、同シリーズで『セクシィ川柳」もあるので国語の成績はますますうなぎ登り!さらに『セクシィ仏教』もありますので、倫理の成績をも上げてしまうと良いと思います!!

セクシィ川柳<セクシィ川柳> (メディアファクトリー新書)
作者:東 正秀(川柳家)
出版社:KADOKAWA / メディアファクトリー
発売日:2012-10-17
  • Amazon Kindle
セクシィ仏教<セクシィ仏教> (メディアファクトリー新書)
作者:愛川純子+田中圭一
出版社:KADOKAWA / メディアファクトリー
発売日:2012-10-17
  • Amazon Kindle
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち
作者:田中 圭一
出版社:KADOKAWA
発売日:2017-01-19
  • Amazon
  • Amazon Kindle
Gのサムライ (torch comics)
作者:田中圭一
出版社:リイド社
発売日:2016-04-15
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