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ホリエモンVS井上純一 対談03:『中国嫁日記』がどう始まり、いかにしてヒットしたか?

中国嫁日記(三)
作者:井上 純一
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
発売日:2014-02-14
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堀江:最初は、ブログで書き始めたんですか?

井上:当時は本当に、商業誌に持っていくために、自分のマンガを通すために描いたんですよ。企画書を作って、ネーム描いていろんな会社を回ったんだけど、かんばしい反応がなかったんです。だったら、ブログをやって、このブログのPV数がこれだけあるから、このマンガは売れますよとやったらいけると、これを教えてくれたのが、あさりよしとおさんと藤島康介さんだったんですよ。

堀江:へえ~

井上:藤島康介さんがあさりよしとおさんと電話で話してたら僕の話がでたそうなんですね。「あの井上純一が、同人誌をやめて商業誌に載せるために持ち込んでるらしいんだけど、ネームが通らないらしいよ」と。「まあそうだろうね」とあさりよしとおさんがいったらしいくて。

堀江:「そうだろうね」(笑)

井上:「そうだろうね」っていうのは、ネームっていうのは基本的に通らないものなんですよ。あさりさんは藤島さんに「どうして通らないかあいつはわからない」「君だったらどうする」と問いかけたらしいんですよ。藤島さんは「そのネームは通らないと諦めて、違うネームを持っていく」、あさりよしとおが言ったのは「俺は同じネームを持っていく。何も変えない、ただ単に持っていく。なんでかわかるか?」。この話を酒飲んでるときにあさりよしとおがしたときに、聞かれたんです。僕は「ぜんぜんわからない」と答えたんですが。

堀江:すげーあさりさんっぽい喋り方だな(笑)

井上:そう、あさりさんってこういう話し方しますよね(笑)ロケットの会社とかで付き合ってますもんね

堀江:そう、うちのロケットの会社のイラストとか描いてて

寺田:あー、なるほど

井上:あさりさんと藤島さんはねえ、『中国嫁日記』の父と母みたいな人なんですよ。あさりさんがそのとき何を言ったかというと「お前、俺が何を言ってるかわかるか?あのな編集者はマンガを雑誌に載せていいか決められないんだ、基本的に」「マンガのことがわからないから」「マンガのことがわかっている編集者などいない」

堀江:すげーあさりさんっぽい喋り方(笑)

井上:あさりいいこと言う(笑)

寺田:マンガのことがわかってる編集者っていないんですか?

井上:「いない」

堀江:すっげー似てるんだけど(笑)

菊池:会場に編集者いますけど(笑)

一同:(笑)

井上:正確に言うと、あさりさんは「編集者がこれは載せると思うと載るんだ」といってて。「お前のマンガは正直つまらなくはないんだよ。いつ載ってもおかしくない。載せられない理由はただ一つ、そのマンガを載せていい理由がないんだ」と言ったんですよ。

井上:「理由???」

堀江:理由を作ればいいんだと

井上:そう、それがPV数だったんですよ

堀江:なるほど、でブログでやり始めたんですね

井上:そうそうそう。そしたら、いわゆるまとめサイトというところで火がつき始めて。まとめサイト良くないですよね(笑)。「いま『中国嫁日記』が大人気」って描いてあったんですが、そのころ全然人気なくて、なにが「大人気」だっていう(笑)。まあおかげでものすごい勢いでPV数が上がっていって。

堀江:まあ、まとめサイトの作者は『中国嫁日記』のファンだったんじゃないですか

井上:まあ、嘘八百だったけどありがとうございました(笑)

堀江:ハハハハ(笑)でもいい話ですね。

井上:それでPV数が上がっていくと何が起こったかというと、あんだけ見向きもしなかった俺に、何十社もの出版依頼が舞い込むという

堀江:来てくれ来てくれと

井上:そしたら、長く付き合って、TRPGも出してるエンターブレインという会社が「うちが出す」と。ていうかあのときすごかったですね。

エンターブレイン「うちが出すって言っただろ!」
井上「えっ???」

っていう(笑)

堀江:いいなあ、その都合のいい解釈(笑)

井上:まあ、でも僕は前も言ったように「手のひらくるっ」の人大好きなんで(笑)

寺田:その時点で好きになっちゃうわけですね(笑)

菊池:そのとき井上さんは何社と話してたんでしたっけ?

井上:断るのが大変だったんですが、30社から40社くらいかな

寺田:そんなにあったんですか!

井上:びっくりするぐらいの大手からのオファーもありましたよ

堀江:でもさあ、僕すごい不思議なのは、こういう成功事例があるのに、なんでみんなまだそれを真似しようとしないのかな?

井上:そういうマンガ描かないからだと思いますよ。『バクマン』もそうだし、このあいだ始まった押切蓮介さんのマンガもそうなんですけど、ネットから出てきてブログとかツイッターでマンガ描いてるやつって、基本的に主人公の敵なんですよ。大抵の場合、「雑誌に生き残る」っていう話のほうがマンガにしやすいんです。簡単に盛り上げることが出来る。だって雑誌から切られると消える、でも、ツイッターだとほそぼそとマンガ描いてるやつまでフォローして(作中で)描き続けないといけないからドラマとして今ひとつ、だから、マンガとしてやりやすい雑誌を中心にストーリーを組んじゃうんです。「漫画家マンガ」は舞台が雑誌だから、ネットから出てきたやつは敵になるという理屈です。フォロワー数が何十万もいて、毎日毎日1ページくらいのマンガを書いていてものすごい居丈高だってやつ、『バクマン』にでてきましたよね

堀江:あー、そいういう奴出てきましたね

井上:そう、でてきたでしょ。ネットでみんなの統計とか取って。あいつ何処が悪いんでしょうね。ものすごいやつじゃないですか。

堀江:ハハハ(笑)

井上:なんで悪者にされてるのか、わけわからない(笑)

堀江:それはねえ、気分わかりますよ。僕も『バクマン』読んでるとき、そう感じてました。

井上:ネットから出てきて、みんなの意見を統計とってまとめて、みんながこれが面白いという展開をマンガに描き続けるという

堀江:でもあれって、ジャンプの人気投票といっしょですけどね。いったら。

井上:なんで彼がだめで、はがきのアンケートはいいのかっていう

堀江:つまり、そういうふうなマンガの描き方によって、漫画家志望のやつはネットマンガが邪道なんだって思っちゃうっていうことですね。洗脳してるわけだ。

井上:正直言いますけど、いま僕『中国嫁日記』描いてるじゃないですか。それだけで食っていけるんですよ。もしも僕のマンガを、雑誌の掲載で同じ金額を得ようとすると、『ジャンプ』だと足りないと思いますね。もちろん8ページマンガですよ。一度計算したんですが、『ヤンマガ』だったらブログに載っけてたほうがいい。『ジャンプ』だったらもしかしたらつり合うかな。週刊マンガを毎週毎週8ページ描くよりは、まあ16ページでもいいんですが、ぜんぜんブログの収入で勝てる。

堀江:いまどれくらいのペースですか?

井上:最近はちょっと更新できなくて、一週間に2回できればいい方なんですが。でも4コマ1本で1項目ですから。新聞でもブログの収入くらい僕に原稿料を払うのはむりじゃないかな。つまり、ブログの方が儲かるんですよ。

堀江:PV数見合いのブログの広告費とかの方が全然もらえると

井上:そこが問題なんですが、多くのブロガーがそれを知らないんですね。例えば、グーグル・アドセンスに登録して広告費をもらう過程を知らないんですよ。これを逐一説明してくれる人もいないんです。こうやってグーグル・アドセンスをとってこうやってやると、これだけ儲かるのだと。鈴木みそさんが少し近いことをやりましたけど、あの人はやっぱり出版がベースなので、Kindleでしょ。でも、ブログでも同じことが出来るんですよ。

菊池:みそさん来てますよ

井上:あ、そうですか。

堀江:来てます。あそこに。

井上:尊敬しております(笑)。

堀江:ハハハハハ(笑)

井上:手のひらくるっ(笑)。いなければそのまま攻撃したんですけど(笑)。

 

堀江:(モニターを見て)あ、ほら「『中国嫁日記』はホリエモンのツイートで知った」だって

井上:堀江さんにはずいぶんとお世話になりました

堀江:一度、僕、登場してますからね

井上:それはねえ、ネット限定ですね。本誌には登場してないんです。ところが今描いている最新号には、かなり重要な役割で登場します、ホリエモン。

堀江:そうなんですか

井上:役どころは、悪役に近いかもしれない。

堀江:どっちかっていうと、奥さんがね、「あの人ちょっと苦手」っていう感じですからね。

井上:そうなんですよ。でも、最終的にはいい方向にいくので大丈夫なんで(笑)。

それはともかくとして、具体的に言うと、広告料というのはアドセンスというのが最大手なので、アドセンスに入らなければ、広告料は無いのといっしょなんですよ。だから、グーグル八分なんてされた日には、壊死しちゃうんですけどブログは。また、グーグル・アドセンスにどうやって登録するかっていうのが、面倒くさいんですよ。

堀江:みんな知らないと

井上:そういうのをですね、ライブドア先生が、ライブドア公式ブロガーには、半自動的にやってくれるんですよ。でも半分取られるんです。広告料の。俺はその前自分でやってたじゃないですか。あるときライブドアからメールが来て、「あなたのブログは売れるから、どうですかうちで」っていう。それでどうやって儲けるんですか、ってきいたら、「グーグル・アドセンスで」っていうから、その瞬間鼻血ブー(笑)。やってるっつ~の。しかも「広告料、半分ください」と(笑)。

井上:では君たちはなにをやってくれるのかっていうと、「効率化します」と。

井上「できるの?これ以上効率化できるの?」
ライブドア「いま儲けている額は維持します」

って豪語したんですよ。でもライブドア優秀ですね。やってのけましたよ。

堀江:へえ~

井上:しかもね、近年になってさらに進化してるんですよ。ツイッターと完全連動して、PVを効率的に広告料に変える仕組みを編み出したんで。ある日メールが来て、今までツイッターにはいろいろなオプションがあったんですよ。ブログやツイッターに投稿すると、こんなふうに表示されますよ、っていう。でも、それを全部切れっていうんですよ。俺達が用意してきたオプションを全部切れって。それで、オプションを全部切った途端に広告料が弾き上がって

堀江:へえ~

井上:ライブドア、お前ら一体どうしたんだって。で、ここで問題になるのが、これまで僕が話してきたこと。ブログでも同じことができる、『ヤンマガ』で連載するよりも稼げる、ライブドアがPV数を広告料にそのまま変換できる方法を思いついた、っていうのは、全部俺の話なんで、こういうイベントがある度に言うんですけど、他の人がこれを出来るかどうかわからない。俺以外どうなってるか知らないし、聞かないし、だれも言わないし。俺もいいたくないし、正直。

堀江:なんでですか?

井上:だって、儲かってるって言っていいこと何一つ無いじゃないですか。

堀江:そうですか?

井上:少なくともブロガーはみんなそうですよ

堀江:あ、そうですか?情報商材の人、「儲かってる」っていいますけどね

井上:あれは、情報商材を売ってるからですよ(怒)、あっ、俺もそれやろうかな(笑)

堀江:そうか、ほんとに儲かってる人は、儲け方を教えないのか

井上:わからないですけど。他の人のこと一切知らないんですよ。『中国嫁日記』が中堅のブログなのか、トップのブログなのかさえよくわからない

堀江:でもねえ、アメブロとかも稼げますよ。海老蔵さんとかもスゴイみたいですよ。

寺田:あー、ねぇ

井上:あー、やっぱり稼げるんだ

堀江:海老蔵さんはやばいっすよ

井上:実名出していいんですか(笑)

堀江:海老蔵さんは一番ですからね。僕はライブドアブログ立ち上げたじゃないですか。2003年暮れかな。一番システムが良かったんで、バーっと人が集まってきて、有名人もいっぱいいたんですが、ライブドア事件が起きてみんなやめちゃって。残ったのはAV女優だけみたいな感じになっちゃったんですが。

井上:ライブドアブログは去る理由がないくらい良く出来てるんですが・・・

堀江:そうそうそう。良く出来てるんですが、風評被害がすごくて。そのタイミングでアメブロにみんな行っちゃって。芸能人とかが。そこから芸能人ブログとかが、アメブロですごく盛り上がったんだけど。僕は、ブログを復活させたとき、アメブロで始めたんですけど、

井上:アメブロかい!(笑)

堀江:藤田くんから堀江さんがやってたときと、PV数とか全然違いますからって言われましたもん。自慢げに(笑)

井上:ブログで稼げると言ってるんですが、井上純一はブロガーなのかって言うと、そんなことなくて、本を出さないとだめなんですよ。本が一番儲かりますから。本当は年に2冊ださないといけないのですが、俺が怠惰なばっかりに、1冊しか出してないんですが。それですら、一番儲かるのが書籍ですね。

堀江:はあー

井上:なるほど、マンガって、こうやって本出さないとダメなんだなって。当たり前なんですけど。

堀江:でも、ブログでやって、本出せばいいわけでしょ

井上:そうです!だから、誰かやって欲しいんですけど

堀江:でもねえ、いま、ブログじゃなくてcakes とか note とかでやってる人いますよね。

井上:あれ、儲かるんですか?

堀江:ただ、PVで稼ぐっていうのはできないかもしれないです

井上:田中圭一さんに値段聞いたんですよ。あの人、文芸カドカワに載っている『ウツヌケ』って言うマンガを、文芸カドカワに載せながら、cakes にも連載したんですよ。両方から原稿料もらうってやったんだけど、結構な額を cakes からもらっていたんですよ。でも、「えっ、そんだけしか?」っていうPV数なんですよ。だから、俺がやったら結構な額になるのかなって。

堀江:どっちかっていうと、井上さんが cakes をやればいいんじゃないですか

井上:実はね、やろうと思ってるんですよ

堀江:やろうと思ってんのかい!(笑)

井上:最近更新できないのはそのせいで。だから堀江先生に見習って、経済についてのマンガ※を描こうかなって

※ note で『君のお金はどこに消えるのか?』を7月12日より連載開始。こちらもどうぞ。

続きます!

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