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ふんばれ、がんばれ、ギランバレー! (モーニングコミックス)
著者:たむらあやこ
出版社:講談社
販売日:2016-04-22
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ギラン・バレー症候群とは、「風邪などの後、自分の抗体が自分の神経を攻撃することで起こる自己免疫疾患。軽い手足の麻痺から後遺症が残るまで症状の重さには個人差がある。年間10万人に1人~2人に発症する国が指定する難病」だという。

 

その耳障りからどこかで聞いたことのあるような気がする「ギラン・バレー症候群」という難病に突然かかった筆者の希望となったのが絵を描くことであり、漫画という形として世に出た作品こそが『ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!』である。

 

たまたまスマホを眺めているときに流れた情報を見て、その場で購入を決めた。

 

壮絶ゆえ面白く 闘病を漫画に 「いっそ死にたい」壮絶な苦しみを絵と言葉に――ギラン・バレー症候群を超えて(ノンフィクションライター・古川雅子/Yahoo!ニュース 特集編集部)

 

上記の記事ではご本人の写真が掲載されており、その若き女性の姿と漫画で描かれる“目を逸らしたくなる”ほど壮絶な痛みやつらさ。そこに笑って、楽しんで読んでもらえるようなギャグ的表現が、読み手の心境を複雑にしていく。

 

楽しんで読むことはできる。しかし、「全身を切り裂かれ、ねじられ、骨から身を剥がれ、爪は剥がれ、内臓はちぎれ、という痛みが24時間営業で続く」症状のご本人のことを考えると漫画を閉じたくなる。

 

面白く表現はされているが、制御の効かない身体、食事も“涙を流す”ことすら痛みとなってしまう症状、上体を起こすだけで意識を失うシーンが描かれるたびに、読み流したい衝動と自分に置き換えて考えてしまうことの狭間で揺れてしまった。

 

一番つらいのは著者であることは疑いないが、何もすることができない両親の視点は、わが子は少なくとも自分たちより健康であるはずであり、健康であるべきという親の根拠なき思い込みが崩壊することに、四人の子どもを持つ父親として、胸が張り裂けるようである。

 

愛娘の姿に涙を隠さない父親、気丈にふるまう母親、心配する親族や友人たちの気持ちは絶望と複雑でありながら、回復への願いと期待を込めた言葉や行動は涙を誘う。元気で健康的であった著者も、難病となった立場から表現する風景や思考は、自分も周囲も健康であるひとにとっても、予想すらし得ないことが降りかかるということがリアルに追体験できる。

 

生きることにすら絶望する著者に降りかかる“さらなる”絶望、本書を描こうと思うに至るエピソードに垣間見る希望、そして突然の出来事に混乱しながらも前を向いて歩を進める家族の姿。10万人に一人、二人というギラン・バレー症候群となった女性が描く『ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!』は、意識することすらない日常生活の“当たり前”を失ったとき、ひとはどう絶望と向き合い、何を希望にして生きていくのかを考えさせられる一冊である。

 

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