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『バディドッグ』1巻発売記念!細野不二彦:堀江貴文 人工知能対談02 人工知能で駆逐される人材と共存できる人材の違いとは?

 

7月22日(土)に、ネットマンガ実践研究会のイベントとして、汎用人工知能を搭載した犬型ロボットの物語、『バディドッグ』を7月28日に発売する細野不二彦先生と堀江貴文、AI研究者の三宅陽一郎さんとのパネルディスカッションが開催されました。

『バディドッグ』の世界と実際のAI研究について、『バディドッグ』のこれから、これからのAI研究についてなど、興味深いお話が山盛りでした。本日は第二回です。

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『バディドッグ』1巻発売記念!細野不二彦:堀江貴文 人工知能対談01 藤井四段が強くなった理由と人工知能の関係は?

16世紀のイギリス、エリザベス1世は靴下編機を発明した技術者を叱責します。「あなたは靴下編み職人の職を奪い、路上の物乞いにしようとしているのです」。その後、時代はどうなったかもうあなたは知っていますよね。あなたはAIについてどう思いますか?細野先生と堀江貴文、AI研究者の三宅さんがよりディープな話に入っていきます。
バディドッグ 1 (ビッグコミックス)
作者:細野 不二彦
出版社:小学館
発売日:2017-07-28
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堀江:例えばAIに「おまえ、堀江だよね」「そうだよ」っていうようなインタラクションを山のようにやるわけですよ。AIBOを改造してバディドッグ的にしてもいいし、ペッパーでもいいんだけど。そういうインタラクションに報酬を与えて、蓄積していったら何か変わるんじゃないですか?

(c)細野不二彦/「ビッグコミック」にて連載中

三宅:それはそうで、バディドッグの素晴らしさというのは「身体がある」ということなんですよ。さっきの目だけの場合の分割というのは弱くって、身体があるということで、叩けば壊れるとか、柔らかいっていう「感覚」がでてきますよね。マルチモーダルっていうんですけど、身体性がある場合はひとつの対象を、いろんな感覚で確かめられるじゃないですか。

堀江:そう、それを最近はバーチャル世界にアバターみたいなものを作って、インタラクションしてたりするじゃないですか

三宅:最初バディドッグの汎用人工知能は視覚だけで身体を持っていなかったから、画像だけで世界を見ていて、理解が浅かったんだけど、身体をもつことによって、殴られたり、落とされたり、水ぶっかけられたりして(笑)、いろんなものの感触を持つようになって、いろいろなものの分割がより確からしくなって、世界の理解が深まっているっていう描写がされてるんだと思いました。

細野:やっぱり実態のある機械だから、それが何を統合するかというと、「生存」というものを身体をつくりあげる統合の核にするんじゃないかと思ってるんですよ。「生存」していくために何が必要であるか、いろいろな感覚器から入ってくる情報を「生存」するためにどう統合して活用するかということが必要だと思うんですよ。生命が発生したときも結局同じようにつながっていくんだと思います。

(c)細野不二彦/「ビッグコミック」にて連載中

三宅:まさにそうですね。食欲とか睡眠欲とか性欲とかと「生存」というのは結びついていると思うんですね。林檎というのは「食べることが出来る存在」として見える、アフォーダンスと言うんですが、それが知性にとっていちばん重要なことなんですよ。そこは人間が内側から欲求の対象として林檎を見るということができる。一方で人工知能には欲求がないんですね。Alpha GOが勝ちたいと思っているかというと、思っていないんですよ(笑)。

堀江:でも、値的に報酬をあたえることは出来るわけでしょ?

三宅:あ、そうなんですが、学習の過程では報酬を与えてるんですが

堀江:強化学習のときには与えてるんですよね?

三宅:でも試合中はやってないんです。学習のときだけやってます。

堀江:試合中に報酬を与えることは出来ないんですか?

三宅:学習は止めてますね、試合中には。

細野:あ、そうなんですね。試合中には報酬がないんですか。

三宅:報酬は与えてないはずです、オフラインで全部やってるはずなんで

細野:止めてるっていうのは、それを試合中にやるとわかんなくなるとか?

三宅:パラメーターをいじるのに時間がかかるので、試合中には学習してないのが普通です

堀江:だれか、この『バディドッグ』みたいに、ロボットに人工知能を使ったbot みたいなものを組合せてるいる人っていないんですか?

三宅:たぶん「ロボカップサッカー」とかはそれに近いと思います。サッカーをロボットでやる競技があるんですけど、ソフトはバーチャル空間で学習して搭載してますね。それと自動運転ですか。自動運転ってリアルな画像で学習するんでものすごいコスト高いんで、例えばレーシングゲームの画像で学習するっていうような論文が一応出てまして、ある程度レーシングゲームで学習を進めてから、実際に街にでて自動運転の学習をしたほうが効率がいいということが言われています。

堀江:(シミュレーターから)実際に外に出して、学習させて報酬を与えていくと、よりそういうループができやすくなるんですかね?

三宅:そうですね。それが現代的な人工知能で、90年代とかは、ロボットがあって、その脳としての人工知能を作るということだったんですが、現在はデジタル空間の中で人工知能を作って、そこから出るためにロボットという身体を借りるという概念ですね。つまり、ドローンにしろロボットにしろ、人工知能がデジタル空間から外に出るための乗り物のような考え方になってきてますね。90年代といまの人工知能が真逆になってきてます。『バディドッグ』は人工知能がボディを乗り換えていくじゃないですか。

細野:そこはいろいろ設定が必要なんですけど(笑)

三宅:そこがすごく現代的だなと

堀江:うん、すごく現代的だし、ストーリー的にどういう風に落とし所をつけていくのかなっていう話があって、最終的にこのバディドッグはどうなんだろうっていう疑問があります。

細野:そこは難しいですよ(笑)

堀江:よく、AIの脅威とかっていう話で、ターミネーターみたいなものを想像するわけですよ。

寺田:しちゃいますね

堀江:人類滅ぼしちゃうんじゃないかみたいな

細野:あれは、よく言われるんですけど、『2001年宇宙の旅』とかもそうだったんですが、「反乱」というのが間違っているなといつも思うんですね。「反乱」じゃなくてAIはAIなりの論理性で結論を出していて、それが人間の解と違ってしまっているので「反乱」という言葉を使ってしまっているんですけど、AIは反乱しようと思ってはいないわけですよ。

決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
作者:アーサー・C. クラーク 翻訳:伊藤 典夫
出版社:早川書房
発売日:1993-02-01
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堀江:『バディドッグ』にでてくる、ゴーレムっていうAIがあって、人間がいると環境破壊が起きるから人間を滅ぼしてしまえということになるんですよ。

細野:それが「最適解」であれば、人間とずれるであろうということですね

三宅:敵意はないということですね(笑)

細野:古いSFなんかを読むとそういう設定なんですよ。ロボットが「反乱」するわけではなく、フレーム内での解がそれでしかない

三宅:確かに

細野:そこんところが、一般的にあまり理解されてないと思うんですよ。「反乱」じゃなくて、そうじゃないところに解を導いてあげるためにどうするかが大切だと。

堀江:人間には思想っていうか、フィクションを信じてしまう性質があるじゃないですか

細野:そうですね

堀江:だから、ある状況下では「聞く耳を持たない」という状態になるじゃないですか。ある宗教にハマったら教祖の言うことしか聞かないとか、ある人のことを好きになったらその人のことしか見えないとか。でも、AIも人間の脳を学んだとしたらそうなりますよね。

細野:さっき僕が話したのと同じようなことですよね。「解」がフレームの中でしか与えられないという。

堀江:僕が思うにはAI対人間というのは、僕的にはしっくりこないんですよ。むしろ、人間は人間でAIとくっついてもいいわけじゃないですか。

細野:ええ、利用したいと思いますね

堀江:人間とAIのハイブリッドになるかもしれないし、結局未来は同じなのかな、闘いのレベルが高度になっていくだけで。

細野:闘っているんですかね?

堀江:闘うことすら必要ないのかもしれないですね

細野:でも実際に失業問題とかもあるんで、そういう対立は生まれてくるのかなとは思いますね

堀江:僕はそこに関していうと、そもそも働かなくてもいいという状態がくればいいんじゃないかという考え方なんですよ

細野:そう思う人はいると思いますよ。でも、たくさんいる人間の中には、働きたいという人もいると思うんで。

堀江:たぶん、ぼくは「働く」っていうことの定義が違ってくるんじゃないかと思うんですよ。

細野:そうなれば問題は解消するんだと思うんでうけどね。それこそ人間は頭の回転が遅いんでついていけないというところがありますよね

堀江:そうなんですよ。「既存の人間」はついていけないけど、中国の電子マネー決済の話じゃないですけど、最初っからそうだったら、それが当たり前なんで。

細野:まだ発展途上の国だからそういうことが可能になるんですよね

堀江:ただ、そっちの方がマジョリティになってきて、やってない人たちに「なにやってんの?」っていうことになってきたら、「これが最先端なんだ」って一気に変わる可能性が高いと思います

細野:そうなる可能性もありますよね。日本みたいに価値観が多様化している社会ではかなり置いていかれる人間がでるなあと思いますね

堀江:置いていかれるでしょうね。それが日本では「不満だ」ということになるんですけど、逆に僕はそういう人たちへの説得のしかたをAIが見つけ出してくるんじゃないかと思ってます。「人の騙し方」みたいな方法論ってあると思うんですけど、新興宗教とか情報商材の売り方とかあるし、古い話だけど、ラッセンの絵を売っている人たちとかいたじゃないですか。オウム真理教の勧誘とかもそうだったんですが、パターンがあるんですよね。

(c)細野不二彦/「ビッグコミック」にて連載中

細野:それがAIが学んでということですか

堀江:学んで、ロールプレイングをして、LINEとかで突然ともだちになってそこに引き込むという(笑)

細野:それはありうるかもしれないね

【続きます】

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作者:細野 不二彦
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