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『ムショ医』受刑者が健康診断を受けるのは当然の権利である

※この記事は2016年4月27日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。
レビュアー:堀江 貴文

ムショ医 1 (芳文社コミックス)
作者:佐藤智美
出版社:芳文社
発売日:2009-03-16
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漫画界で波紋を起こしまくってる佐藤秀峰氏の元嫁といった方が通りがいいかもしれない佐藤智美氏の作品。なんと刑務所担当の医師の物語である。刑務所モノといえば、私をおいて他にもっと語れる者はいないと断言できよう(笑)刑務所内ではかなり医師にはお世話になった方である。

私のつとめていた長野刑務所には常勤医はおらず近所の病院の医師が往診していた。歯科も同様である。週に一度工場に看護師の職員が巡回にきて予め症状を訴えたものの意見を聞いてその場で処方できる薬は処方し、医師の診察が必要なものと仕分けしていく。また定期的な健康診断は作中では新法施行後とあるがもうすでに10年ほど経過しているのでどの刑務所でも実施してると思う。

私の場合は尿検査で尿潜血がみつかったし、2年に一度は出張車にてレントゲンでの肺の撮影診断、高齢者限定でインフルエンザの予防接種、年に一度は血液検査も含む健康診断が行われる。尿潜血が見つかった時は外部の病院に物々しく連行されCTやエコーなどの検査を行い腎臓結石と診断された。その他インプラントの歯が折れたのでその治療の為歯科に数度連行され治療を受けることになった。作中でもあるが、受刑者の健康管理などどうでもいいと考える一般人は多いと思うが法律の構成上は受刑者はすでに自由を剥奪されるという「自由刑」を受けており、それ以外の基本的人権は憲法で保証されているので健康診断は当然の権利なのである。

作中では女子刑務所ということで獄中出産などのナイーブな話題も取り上げられている。

刑務所の医療体制は医師不足も手伝ってか不十分なことも多い。医務に関わる刑務官も横柄な態度をとったり勝手な判断をする事も多い。週に二度?三度しか入浴できない上にウォシュレットもないので痔になって治療を受けたこともあったのだが症状が悪化しないとなかなか治療を受けられなかったりする。予算の関係らしいが国民の理解がなかなか得られず予算を増やせないらしい。この漫画が刑務所での医療体制の改善に役立つといいのにな、と感じてしまう。

作中では共同室メインの刑務所の話題が描かれているが既に多くの刑務所では単独室がメインになっている。受刑者同士のイジメや不正行為は厳しく監視され取り締まられるようになっているのでこの漫画に描かれているほど酷くはない。少なくとも初犯や犯罪傾向の進んでない受刑者が収容される施設ではここまでではないことを付け加えておこう。

ムショ医 1 (芳文社コミックス)
作者:佐藤智美
出版社:芳文社
発売日:2009-03-16
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ムショ医1
作者:佐藤智美
出版社:佐藤漫画製作所/漫画onweb
発売日:2014-05-16
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