TOP > マンガ新聞レビュー部 > 実写化待ったなし?!今世間が大注目の『ランウェイで...

期待の超新星、あらわる!

 

週刊少年マガジン。ご存知の通り少年漫画誌の雄にして、数々の名作を世に送り出す大看板だ。

今も多くの熱い少年漫画が連載中だが、その中でも一際異彩を放っている作品がある。

 

 

 

 

この漫画『ランウェイで笑って』の作者・猪ノ谷先生は本作がデビュー作だというのだから驚きだ。

ただ、この先生、只者ではない。

100回を超える歴史ある週刊少年マガジン新人漫画賞の中で、最高の”特選”を取った史上4人目の王者なのだ。

 

そんな才気溢れる新人作家が、マガジンの舞台で選んだテーマがなんと「ファッション」

 

一見少年誌にあまり合わなさそうだし、バトルものやスポーツものといった少年漫画王道ジャンルに比べて強い、弱い、勝利、敗北といった分かりやすさも無さそうに思えるテーマだ。

しかし、いやはや、そんな懸念は読み始めればすぐに杞憂だったことに気付かされる。

 

「あり得ない」に戦いを挑む少年少女たち

 

この漫画の主人公は、デザイナーを目指す高校3年生の少年と同級生でスーパーモデルを目指す少女。

ふたりにはハッキリとした夢があるのに、それを阻む大きな壁が立ちはだかっていた。

 

少年は過労で入院している母親に代わって、妹3人の面倒を見なければいけないという経済的な壁。

少女は最低175cmでないと無理だと言われるスーパーモデルの条件に対して、たった158cmしかないという身体的な壁。

 

 

©猪ノ谷言葉/講談社

 

 

どちらも、自分だけではどうしようもないとてつもなく大きな壁。

周りからは「無理だ」と言われる中、それでもふたりは仲間として、同志として、時にはライバルになりながらもお互いを支え合い、夢に向かって突き進んでいく。

 

どうだ、この熱い設定。

これこそ少年漫画の中の少年漫画ではないか。

 

しかも、個人的に心が震えたポイントが、彼らにはほんの少しだけ妥協すれば成功する道が用意されているのに、それを捨てても夢を追いかけるという展開だ。

 

 

少年はデザイナーではなくパタンナーとしての才能には溢れており、服を作ってみんなを笑顔にしたいという目的を叶えるだけなら、パタンナーとして働けば経済的にも救われる。

 

少女は持って生まれた美貌とそれを磨き続ける努力によって、日本の大手事務所からも即戦力として誘われるほどの魅力を持ち、そこへ行けばモデルになるという夢は叶えられる。

 

だが、少年はデザイナーになるという夢を、少女はただのモデルではなくパリコレに出られるスーパーモデルになる(さらに父親の経営するモデル事務所から)という夢を、絶対に諦めない。

 

このふたりだけではなく、他にもスーパーモデルとして超逸材と言われるだけの才能を持ちながら、デザイナーになりたいという仲間がいたり、とにかく登場人物たちが誰も彼も皆熱い”夢追い人”なのだ。

 

 

僕の好きな言葉のひとつに「勝つまでやれば負けない」という言葉があるが、まさにこれを地で突き進んでゆく姿に胸打たれるのだ。

 

ファッションという特殊な世界

 

服は誰もが毎日必ず着るものだし、テレビや雑誌などでタレントやモデルの華やかな姿を目にしない日はない現代において、デザイナーやモデルに憧れる人は多いと思う。

 

ただ、実際に本気でなろうと思った時に、どんなことがあって何が必要なのかを知っている人は、正直ほとんどいないのではないだろうか。

 

猪ノ谷先生は専門学校などで服飾を学んだ訳ではない、言わば我々と同じ素人だが、本作は緻密な取材を繰り返し、知らない人が読んでも分かりやすい。

服飾業界のプロが読んでも違和感なく楽しめる作品に昇華されている。

 

 

また、マンガ=絵である以上、ファッションの肝である服を描く必要が必ずあるが、ただでさえ服の良し悪し、好き嫌いなんて人によって千差万別。

モノクロの世界の中で様々な色や柄、素材感を表現することはとても難しいが、猪ノ谷先生はそれを高い画力で見事に表現されている。

 

この漫画が高い評価を得ている理由も、そういった奥深さやリアリティに支えられているのだと思う。

 

実写化して欲しい作品ナンバーワン!

 

少年漫画の実写化というと、どちらかというとかなり否定的な感想が目につくことが多いが、この漫画についてはむしろ積極的に実写化して欲しいと期待している。

 

この漫画を読んで、知識をしっかり蓄えた上で、本物のモデルがデザイナーによって生み出された作品を身にまとって颯爽とランウェイを歩く姿を見たら、きっと今まで気付きもしなかった彼ら彼女らの凄さを感じられるはずだからだ。

(もちろん一流のモデルやデザイナーを惜しまず起用してもらいたい)

 

 

©猪ノ谷言葉/講談社
©猪ノ谷言葉/講談社
©猪ノ谷言葉/講談社
©猪ノ谷言葉/講談社

 

 

モデルにとって、主役はあくまで服。

自分の顔などに注目されないように、ランウェイで笑うことはありえないことなのだそうだ。

 

そんなありえないことを乗り越えて、夢を叶えた彼らが満面の笑顔を浮かべる日を待ち望みながら、彼らの成長物語を楽しみに読み続けていこう。

 

 

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ランウェイで笑って(1) (講談社コミックス)
著者:猪ノ谷 言葉
出版社:講談社
販売日:2017-09-15

 

 

「第2回マンガ新聞大賞」授賞式開催!

 

 

『ランウェイで笑って』が第2位に輝いた「第2回マンガ新聞大賞」の授賞式イベントを、2019年2月14日(木)に渋谷で開催予定です!

なんと当日は、連載担当編集の方をゲストでお招きしています!

 

1ドリンク/マンガ1冊もついており、当日はマンガ新聞レビュアー10名によるノミネート10作品の「おすすめプレゼン」も行われます。

興味がある方は、ぜひ【申し込みページ】をご覧ください!

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