TOP > マンガ新聞レビュー部 > その坂の先で待っていて『坂の町』にある沢山の物語

人生は山あり谷ありなんてよく言うけれど、本当は坂の上り下りくらいの物語なのかもしれないし、それくらいの方が僕たちも気持ちがいいように思う。

 

なんてことを考えさせてくれる、今回ご紹介する漫画は『坂の町』です。

 

坂の町 (ビームコミックス)
著者:嵜山 弓
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
販売日:2018-12-12

 

本作は嵜山弓(さきやまゆみ)センセイの初単行本。

 

坂の多い町に産まれた女の子と、年の離れた幼馴染との恋物語や、

もうすぐ結婚だけど彼氏に浮気を勧める彼女、

心も身体も傷ついて、田舎に療養しに来た人気モデルとおばちゃんの友情物語、

彼氏の愛を確かめたくて、かぐや姫になっちゃった女の子などが登場するオムニバス作品集。

 

元々自費出版で発行されていた作品を、商業誌用に新たに編集した一冊です。

 

甘酸っぱい恋物語、というよりは、少しだけビターな感じがする恋物語を丁寧に描き紡いでいる作品になっています。

どこかにある風景、どこかにありそうな人達、どこかでみんなが期待してるような恋物語。

期待しているような結末になったりもするけれど、そんなところがなんとなく読む人々の人生の1ページと重なる。

 

世の中は思い通りに行くことも有るけれど、そうじゃないことの方が沢山あって、

その度に僕たちは上手くいかないことに怒ったり泣いたりしながら、また明日を迎えてそれぞれの人生を生きている。

 

この作品を読んでいると、そんな人生の一コマに励まされたり、打ちのめされたりもするけれど、

物語の中の人物たちに共感したり、はたまたイライラしたりしながら読んだりもできる、すごくリアルに近い作品なんだと思います。

 

特別なことが起こるわけでもなく、全ての恋がうまくいくとも限らない、実に現実的な物語。

でも読後に何とも言えぬ多幸感が得られます。

 

こういう作品を描ける作家さんは実は貴重だったりするので、第二作、三作といった具合に作家活動を続けていってもらいたいと思います。

オムニバス集で非常に読みやすい作品ですので、ぜひご購入して冬休みのお友に読まれてみてはいかがでしょうか?

 

来年も沢山の作品をご紹介して、マンガ界の売上に貢献していけるようにしていきたいですね。

それでは皆様良いお年を!

 

 

坂の町 (ビームコミックス)
著者:嵜山 弓
出版社:KADOKAWA / エンターブレイン
販売日:2018-12-12

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