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「飯テロ」って困りますよね。

 

夜中に「おなか空いたけど、今食べると太るから我慢我慢」とか思いながら、なんとなくネットを見ていると、ほかほか美味そうなラーメンだの鍋だのが目に飛び込んできたり。

 

「1人だからなんでもいいか」と、いい加減な夜ご飯にしたときに限って、Facebookに上がってくるステキなリア充ディナーの画像がズラズラ並んでいたり。

 

 

おひとりさまはSNSとの付き合い方にコツがいりますね。

私の場合は、リア充書き込みしかしない人は容赦なくフォローをやめちゃいます。自分の精神安定がいちばん大事なんで!

 

それと同じではないですが、「旅テロ」ってあります。

SNSでは、イカニモなステキ旅行画像はスルーしちゃうので、私の場合、旅テロはマンガで感じることが多いです。見ていると旅に出たくなっちゃう作品。

こちらは飯テロとは違って幸せな気持ちになれますが、怒濤のように襲われるところはテロと言ってよさそう。

 

 

最近もっとも旅テロを感じるのが『乙嫁語り』です。

 

 

 

舞台は19世紀後半。中央アジア周辺の女性たちを描いた作品です。

綿密に描かれた家屋や衣装の柄、そして活き活きとした彼らの生活っぷり。読んでいるうちに、自分もすっかり作品の中に入り込んでしまいます。

 

数年前、2カ月ほどトルコで生活をしていたのですが、『乙嫁語り』を読んでいるとその時の記憶が蘇ってきます。

特に、家の軒先で近所の人たちが集まってわいわいおしゃべりをしている様子を読むと、小さなホテルに泊まりに行ったときのことを思い出します。

みんなで仲良くチャイを飲み、誰に聞いてもなんとなくみんなが応えてくれるので、誰がホテルのスタッフか、最後までわかりませんでした。

 

5分喋れば「友達」、半日一緒にいれば「家族」だと言い出す人たちです。

家に誰かを呼んでもてなすことにとてもオープンで、よくお宅に泊めてもらいました。

作中でも、主人公であるイギリス人のヘンリー・スミスさんが、いろんなお宅で世話になっています。

 

飯テロ、旅テロ、服テロに少年テロ……、テロの嵐!

「ちょっと懐かしい感じがする異文化」に触れられるトルコと日本は、もともとモンゴルあたりから広がった、同一民族という説があるらしいです。

言語もちょっとだけ似ているし、お茶を好み、白米を食べ、木の家に住んでいるなどの共通点があります。

 

『乙嫁語り』が旅テロに加えて飯テロになるのが、みんなで市場に行き、買い食いをするシーン。ここらのくだりを読むと、トルコのバザールを思い出します。

香辛料などの食材をはじめ、コスメやストール、じゅうたん、ランプといったお土産的な商品まで、これらを扱う小さな商店が一カ所に集められ、ありとあらゆるものが売られていました。

 

こうしたバザールは、シルクロードから渡ってきたものを売る場所だったと聞いていますが、日本にも、こうした市場が今でも残っていますよね。

アーケードと言うには古くて昭和的で、床はいつでもびしょびしょのコンクリート打ちっ放し。おなかが空いているときに買い物に行くと、ついいらないお総菜まで買ってしまう……それこそ飯テロがいっぱいある場所です。

 

アジアの国って、少し離れていても「ちょっと懐かしい感じがする異文化」って感じがしますよね。

 

 

作品には、遊牧民族もたくさん出てきます。

いつか行ってみたいモンゴルの草原での生活にも近いんだろうな、なんて想像しています。

 

女性たちは嫁入り前にたくさんの布に刺繍を施して、お嫁入り道具を作るのですって。マンガの絵からでも充分に伝わるその美しさに、つい刺繍も始めたくなります。

って、今度は刺繍テロ?いや、たぶん針と糸を買ったところで満足する予感がするので、むしろできたものを買いたい服テロ。

 

その上、登場する20歳の花嫁エミルと、12歳の花婿カルルクさんもステキです。

カルルクさん、たった12歳なのにたいへんデキた少年で、完全に犯罪になりそうですが、私も結婚して欲しいです。少年テロ。

 

先日、最新刊が出たのでまた1巻から読み直してトリップしています。

ああ、モンゴルでもウズベキスタンでも、トルコでもいい、『乙嫁語り』を彷彿とさせるどこかに行きたい!

 

 

乙嫁語り 11巻 (ハルタコミックス)
著者:森 薫
出版社:KADOKAWA
販売日:2018-12-15

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