TOP > マンガ新聞レビュー部 > 靴を履くとナイスバディに変身!心と身体の成長物語『...

主人公・乱は未熟な魔法使い。お気に入りのスニーカー靴を履くと、ナイスバディで美人な大人の女性に変身する。

漫画『乱と灰色の世界』は、少女がひとりの男性との出会いを通して成長する物語だ。

 

これはファンタジー好きなら絶対に読んでほしい。

6巻目と7巻目は胸に込み上げてくるものがありすぎて、後悔させないと約束するので!

 

乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)
著者:入江 亜季
出版社:エンターブレイン

 

自由すぎる魔法の発想に惚れ惚れする!

 

『乱と灰色の世界』を読むと、漫画やアニメで触れてきた魔法の概念が変わる。

 

たとえば一巻の乱のお母さんの登場シーンはとても幻想的だ。

冬に花びらが舞い、卵を割ると三つ子に四つ子。部屋中が植物と鳥であふれ、屋根を壊すほどの巨大なケーキが現れる。そしてそのケーキを町中におすそわけ。

 

スケールが大きすぎて何が何やらだが、とにかく画面が華やかで笑顔があふれてくる。

 

そんな母・静(しずか)は普段家にいない。
魔法使いたちが住む里で、骸虫(むし)と呼ばれる毒を振りまく悪しき者を封じるため、大きな大きな扉の上で生活している。

 

この扉は、大の大人が何十人がかりになっても押さえられない。でも静が一足乗せるだけで閉まってしまう。

それほど静ーーお館さまの力は強大で、美しい。

 

乱を大事に想う3人の男性

 

乱の周りには、3人のとても大切な男性がいる。

 

 

ひとりは兄・陣(じん)

 

毛皮を羽織ると狼の姿に変身する獣の魔法使いで、いつも乱を助けて守っている。

彼から逃れ、大人の姿で外に出ていく乱は、子供が少しずつ親離れしようとするかのような成長を思わせる。

 

ちなみに陣には珊瑚ちゃんという彼女がいるのだが、珊瑚の一途さがこれまた最高だ。おとなしいのにエロい。

 

3巻に『陣さまご乱心』という回がある。

突然の繁殖欲に陣が心を支配され、片っ端から女の子とキスしていく破廉恥な回だ。

 

そして珊瑚に「俺の子を産んでくれよ」と言う。

そのあと同意のもと結ばれたふたりだったが、朝目が覚めて我に返った陣はとんでもないことをしでかしてしまったと思い、珊瑚に頭を下げる。

 

すると珊瑚は「どうかいくらでも好きにしてくださいませ」と顔を赤らめて懇願するのだ。

 

だぁあああ珊瑚ちゃーん!!と本を放り投げてしまいそうになる衝撃だった。

 

陣と珊瑚がカップルになってからも、ふたりは乱のことを大事にするのだが、乱は兄を取られたと思い拗ねてしまう

そんな姿が、のちのちの展開に深みを持たせる。

 

 

ふたりめは凰太郎(おうたろう)

 

凰太郎は大人になった乱の姿に惚れた男だ。

(ちなみに乱は大人になっても中身は子どものままなので、精神年齢の差は大きい)

 

これまで人を本気で愛したことのなかった男の目に、乱はきらきらと光って見えた。

 

あの手この手を使って凰太郎は乱を口説こうとする。その中で乱はドキドキを学び、凰太郎も人としての優しさや思いやりが芽生え、ふたりとも人間として大きく成長していく

 

しかし凰太郎は、これまで静が守っていた扉から抜け出た骸虫に襲われ、支配されてしまう。そのときの緊張感がなんとも言えないがとにかくすごいのだ。

 

間違いなく、凰太郎との出会いは乱にとってとても大事なことだったと思うし、彼の存在が乱の心を育てたといっても過言ではない。

人格を乗っ取られた凰太郎vs魔法使いの戦いも迫力があるので、注目してほしい。

 

 

さんにんめ、日比(ひび)

 

日比は乱の同級生で、ずっと乱のことが好きでいじめたりしていた子どもだ。

 

でも子どもだからと侮るなかれ。彼はずっと、乱のことを子どもながらに守ろうと寄り添い続ける。

素直じゃないところもあるが、男気あふれる良い奴なのだ。

 

彼の男としての成長も本作の見どころのひとつ。
がんばれ少年!応援せずにはいられない!

 

 

とまあ、3人の大事な人たちによって、ひとりの少女は成長していく。

全7巻で最高におもしろいファンタジー漫画なので、ぜひこの機会に読んでみてほしい。

 

文:駒村(@koma_ja

 

乱と灰色の世界 7巻 (ビームコミックス)
著者:入江 亜季
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン

この記事に類似する記事

▶マンガがお得に買えちゃう情報満載!

人気のコメント

新着コメント

ログインして
すべての人気のコメントを見る

ご自身のTwitter、Facebookにも同時に投稿できます。

《マンガ新聞》公式レビュアーの方はログイン
 ※新規ゲストのログイン機能は準備中となります

利用開始をもって
《利用規約》《個人情報の取扱について》
同意したものとみなします。
ログインメニューに戻る
ログインメニューに戻る
パスワードを忘れた方は
《パスワード再設定》を行って下さい。
ログインメニューに戻る