TOP > マンガ新聞レビュー部 > 子作りを迫ってくる地上最強のヨメが、闘う勇気をくれ...

私が今までで一番読み返した漫画は、大高忍先生の『すもももももも』(全12巻)だ。

 

腹の底がよじれるほど笑える「ザ・王道」のギャグ満載!(下ネタも満載!)
そして何より、超泣ける。

 

こんなにも一途に男を信じて支えてくれる女の子はいないと思う。私が男だったら絶対もも子(ヒロイン)と結婚したい。

 

『すもももももも』は私が疲れた時、弱った時、悲しい時に読んで、元気をもらってきた作品だ。

 

 

そもそも設定がシンプルでおもしろい

 

『すもももももも』は、武術家の一族が最強の遺伝子を掛け合わせようと親同士が決めた婚約者、九頭竜もも子(くずりゅうももこ)犬塚孝士(いぬづかこうし)の物語だ。

 

日本には太古の昔より十二種類の武術家の血族が存在しており、元々一つに統率されていたがある時東西二派に分裂したとのこと。

 

東軍(午未申酉戌亥)・西軍(子丑寅卯辰巳)に分かれた武術家たちは、何度も戦争を繰り返し、中でも過去六度の大戦争は歴史に深く関わったという。

 

・壬申の乱
・源平の合戦
・南北朝の内乱
・応仁の乱
・川中島の戦い
・戊辰戦争
(孝士が「ほんとかよ」と突っ込んでいるのがウケる)

 

そしてその両軍の長が、犬塚家(東軍)と九頭竜家(西軍)。
つまり孝士ともも子の親同士が、和平のために息子と娘を結婚させようとしていたのだった!

 

しかしひとつ問題が。

 

もも子は幼き頃から修行を続け、波夷羅一伝無双流奥義「昇龍裂天衝」などで滝を割るのに対し、

孝士は昔「好きなコの目の前で悪ガキにボコボコにされた(実は幼きもも子)」というトラウマから修行をやめてしまい、全然武術が使えないインテリになってしまっていた!

 

孝士の父いわく、和平反対派の過激派が次々刺客を送り、孝士を狙ってくるという。

 

 

このままでは最強の遺伝子を掛け合わせるどころか、孝士の命の危機!
彼は強くなるのか!?それとも弱くて情けない男のまま人生を終えるのか!?

 

というまあなんともノリがいい漫画だ。

 

 

武術家といっても、一族ごとに特性があり、犬塚家は目からビームが打てる。九頭竜家は”気”の量が多く、気を具現化して龍のような攻撃を放つことができる。服を脱げば脱ぐほど強くなる奴もいる(もちろんお色気担当だ)。

 

他にも暗殺に優れた一族や、戦いを好まない一族などさまざま。

 

とにかく個性的なキャラクターが多くて、みんなを好きになってしまう弱さ・強さ・かわいさ・かっこよさがあるのも『すもももももも』の魅力だ。

 

まるで某ヒーローのように、愛と勇気を教えてくれる

 

もも子は幼い頃から孝士を想い続けており、時に美味しいごはんを作り、時にS●Xを迫り、時に孝士を敵から守ってくれる(しかもめっちゃ強い)

でももも子の何よりの魅力は、孝士を支える強さだ。

 

刺客のひとり、虎金井天下(こがねいてんか)に勝負をしかけられ、孝士が負けた時「地べたに膝をついて謝れ」と言われる。

 

不良にも目を付けられ、宿題をやらされていた孝士は、俯いて歯を食いしばりながら

 

(知っている
 今まで何度も味わったこの感覚
 嫌な汗
 偽って苦しくなるのどの奥
 こうなると…もう俺は…)

 

と諦め、膝をつこうとする。
すると背後からもも子が抱き着き、孝士の腰を支えながら膝をつかないでくださいと懇願する。

 

「そのひざを地面に着いてしまったら
 その瞬間に
 孝士殿はどんなお気持ちになってしまわれるでしょうか…!
 その瞬間あなたの中の何かとても大切なものが…
 砕けて消えてしまうのではないでしょうか…!?」

 

たとえ弱くても情けなくても、もも子は孝士が本当は強い人間だと信じて疑わず支え続ける。

 

その想いが孝士を本当に強くしていくのだが、同時に漫画を読んでいる私も勇気をもらえて、強くなれる気がする。

もも子の愛により、勇気が湧いてくる作品だ。

 

 

また、刺客たちもそれぞれ闘う理由がある。

 

12巻で孝士は猿の一族・猿藤優介(えんどうゆうすけ)と対決することになるのだが、彼は「なんのためにこんなことやってんだよ!!?」と聞かれ

 

「知らねーよ!!!!」
「やれっつうからやったんだよ!!!!」

 

と武器を地面に叩きつける。

 

何のために生まれて、何のために生きるのか。
武術家の一族に生まれたが故、一族のために、親のために、自分が無能で身内がイヤな思いをするために闘うも、それは自分の意志で闘う理由にはならない葛藤が、猿藤くんを襲う。

 

彼らが闘いのなかで成長し、自分の意思で前に進み始めるようになる物語を見ていると、グッと目頭が熱くなってくる。

 

弱い自分を強くしたいと思った時は、ぜひこの漫画『すもももももも』を読んでほしい。

絶対に強くなれるヒントを見つけられるはずだから!

 

文:駒村(@koma_ja

 

すもももももも~地上最強のヨメ~ 10巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
著者:大高忍
出版社:スクウェア・エニックス
販売日:2012-11-16

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