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すごく突然ですが

みなさん、Tシャツはお好きですか?

 

ぼくは好きです。

シンプルなデザインのものから、アーティスティックなデザインのものまで多種多様にあって、種類をそろえれば、その時々の気分や場面に合わせて着れる便利さがとても気に入っています。

 

無地のもの、ロゴ入りのもの、正面や背中に大きく絵がプリントされているものなど、見た時に受ける印象は、それ一つで結構変わってきたりしますよね?

 

他の誰かが着ているのを見た時はもちろんのこと、自分が着ている時に自身の心理に多少の影響があるとも、ぼくは考えています。

そしてそれを利用して、自身の心を表現することもあるのではないでしょうか。

 

 

話はちょっと変わりますが、ぼくが大学のサークルでスポーツチャンバラをやっていた時、いつも大学のサークルTシャツを着て試合に臨んでいました。

 

ぼくとしては、それを着ることで部のみんなと一体感が持てると考えていましたし、紫の色合いも気に入っていたので、特に疑問に思うことなく練習や試合のたびに着ていました。

 

ただ、他の大学の学生は様々で「働いたら負け」Tシャツのようなオモシロ文字が書かれたTシャツや、キャラクターの顔がプリントされたTシャツなどを着ている人もいました。

その人達が来ているものがバラエティ豊かで、「個性を表現する」という意味でTシャツは活躍するんだなーとしみじみ思ったものです。

 

また、個性豊かなTシャツを着ている人のほうが上手だったり、大会で入賞経験がある人だったりしたので、まるで強者の証のように感じていたりもしました。

 

その一方で、今開催しているコミックマーケットのような場所で見かける「キャラクターもののTシャツ」を着ている人たちを見かけると

「あ、あの人はあの作品が好きなんだな」とか「あのキャラクターが好きなんだな」と思って、仲間意識を持ったり親近感が湧いてきたりすることもあります。

 

なので、彼らを見ると「Tシャツって、自己表現のツールなんだな」って感じることがありました。

 

 

今回ご紹介するマンガは「Tシャツ」にまつわる個々人の「意味」について考えた短編集です。

そのなかから今回は一部だけご紹介いたします。

 

Tシャツ日和
著者:芳崎せいむ
出版社:太田出版
販売日:2015-12-03

 

1. Tシャツは魂の鎧だ!

 

このお話はある一人のマンガ家の「マンガTシャツ」に対する考えが語られます。

彼にとって「マンガTシャツ」とは、ずばり「戦闘服」なのだそうです。

 

©芳崎せいむ/太田出版
©野中栄治/講談社
©芳崎せいむ/太田出版

 

着ることによって体と心を引きしめ、モチベーションをあげることもできる。ここぞという時に気合を入れるに最適な「魂の鎧」

このマンガ家はマンガTシャツのことをそういうふうに捉えています。

 

確かに自分の好きな作品のTシャツを着ている時って、ちょっとテンション上がる気がしませんか?

自分も『攻殻機動隊』のTシャツを普段着で着ることがあるのですが、自分の好きな作品のTシャツを着ているって言う感覚が、ちょっとした満足感を与えてくれて、嬉しい気持ちになることもあります。

 

テンションを上げるのには、好きな作品のTシャツを着るのは、効果があるのかもしれませんね。

 

2.伝染する意思表明

 

話題になっていた映画『シン・ゴジラ』。

その監督である庵野秀明監督のTシャツにまつわるエピソードが、この作品では語られています。

 

みなさんは『アストロ球団』という作品をご存じですか?

この作品を庵野監督はとても好きで『エヴァンゲリオン新劇場版・序』の最終カットUP日に、ある文字が書かれたTシャツを着て現れたそうです。

 

©芳崎せいむ/太田出版
©芳崎せいむ/太田出版
©芳崎せいむ/太田出版

 

Tシャツという、薄い布一枚に書かれた文字なのに、なぜかその意味を深く考えてしまう。

 

背中に書かれていることもあって、その人が今、その文字を「背負っている」という印象を持つからということもあるでしょう。

 

まるで人の決意が具現化したかのように考えられて、自分たちもまた、その文字に触発される。

 

Tシャツには、決意を表明し、周りに思いを伝える効果もあるのかもしれません。

 

Tシャツは「人生」そのものである

 

Tシャツには「自己表現」という意味の他に、「意思表明」という役割も持つことがある。

ただの服では片付けられない、ちょっとした奥深さみたいなものがあるのだなと、このマンガを読んでいて気付かされました。

 

そして何より、

そのTシャツにまつわる「ストーリー」が必ず存在していることに、このマンガから気付かされたのです。

 

だれしもお気に入りのTシャツがあって、その一つ一つにストーリーがある。

そんな当たり前だけど忘れがちな、大切な記憶をこの作品が思い出させてくれました。

 

今回ご紹介したエピソード以外にも、このマンガにはTシャツにまつわる心温まるストーリーが描かれています。

 

読めばきっと、自分が向き合ってきたTシャツたちのことを、思い出させてくれるような、懐かしさと優しさがよみがえることでしょう。

いつも着ている往年の相棒にも、タンスの奥にしまったまま眠っている思いでのカケラにも、このマンガを読んで少しだけ思いをはせてみてはいかがでしょうか。

 

Tシャツ日和
著者:芳崎せいむ
出版社:太田出版
販売日:2015-12-03

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