TOP > マンガ新聞レビュー部 > もし現代にペストが流行したらどうなる?漫画『リウー...

舞台は、富士山麓にある架空の街「横走市(よこばしりし)」

自衛隊基地があって、定期的に演習を外部公開している地区といえば、現実世界では御殿場市に当たるのだろう。

 

この漫画『リウーを待ちながら』は、そんな場所を舞台にしたパンデミック、いや一定の地域での感染なので、エピデミックものの作品だ。

 

リウーを待ちながら(1) (イブニングKC)
著者:朱戸 アオ
出版社:講談社
販売日:2017-06-23

 

コミックスは3巻分しかないので展開は早いのだが、なかなか医学的な設定がよくできていて「ん?この設定はちょっと非現実的ではないか?」的なことがなく、良い感じだ。

 

物語は、中央アジアに派遣された自衛隊員が、病院に緊急搬送されるところから始まる。

主人公は曲がった事が大嫌い、紛争地域に派遣医師として働いていた父親に放ったらかしにされた影響で、性格はねじ曲がっているが強い正義感がある美人医師だ。

 

彼女は緊急搬送されてきた患者の異変に気付き、国立疫学研究所(疫研)に血液サンプルを送る。そうこうしているうちに数人がバタバタと亡くなっていき、エピデミックの兆候が現れるのである。

 

彼女は疫研からやってきた若い研究者とともに対策にあたり、例えば横走市の地域全体を封鎖するような、法律に基づく命令を出してもらうように奔走するなど、エピデミックの時にどのようなことが行われるのかのシミュレーションをやっているかのごとく、漫画としてテンポよく展開されていく。

 

とにかく人がバタバタと倒れて、すぐに死んでいく様が淡々と描かれるのである。

 

名も無き者が理不尽に死んでいくのが伝染病の現実である。罹患した者は、世の中に絶望しながら死んでいくのだ。

 

特筆した良いこともなく、誰にも看取られることもなく、連絡すらする者もなく、死を目の前にした時に人はどのような想いを描くのか。

それを垣間見させてくれる作品であった。

 

リウーを待ちながら(2) (イブニングKC)
著者:朱戸 アオ
出版社:講談社
販売日:2017-10-23
リウーを待ちながら(3) (イブニングKC)
著者:朱戸 アオ
出版社:講談社
販売日:2018-03-23

 

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