TOP > マンガ新聞レビュー部 > 【まだ間に合う】超傑作ファンタジー『圕の大魔術師』...

――――――震えた。

書を持つ手が震えた。

書を読み解く頭が震えた。

歓喜の渦に、胸が震えた。

 

姉の影響でマンガを読み始めて既に10年以上経つ。読んできたマンガだって数千数万はくだらないはずだ。

…しかし、1巻を読んだだけでここまで胸が震えた作品は、私の人生史上存在しただろうか…⁇

「ああッッ、この作品、数年後間違いなく伝説になるッッッ!!!」

そう思わずにはいられなかった。

 

私なんかがわざわざ拙い文章を打たなくとも、既にこの作品は多くの人に受け入れられていることだろう。

それに、この作品の魅力を十二分に伝えきる術を、教養を、私は持ち合わせていない。

しかしそれでもなお、私は記事を書かずにはいられない。

それほどまでに、この作品の持つエネルギーは凄まじいのだ…。

 

「読みたくないから手に取らないんじゃない、ただ知らないだけ。」

そんな方々に向けて、私は今作を紹介したいと思います。

 

 

はじめに

…すみません。あまりにも感情が昂りすぎて冒頭からポエミーな自分語りをしてしまいました。

今回私が紹介するのは『good!アフタヌーン』にて連載中の『圕の大魔術師』です。

 

2018年4月に第1巻が発売されたばかり。

SNSで知人が取り上げていたのでなんとなく手に取ってみたのですが、これがもうとんでもない傑作でした…。

今作の魅力が少しでも伝われば!ということで、早速つらつらと書いていきたいと思います。

図書館の大魔術師(1) (アフタヌーンKC)
著者:泉 光
出版社:講談社
販売日:2018-04-06
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膨大かつ緻密な設定のもとに紡がれる、王道のハイファンタジー

あらすじ:

アムンという小さな村に暮らす耳長の少年は本が大好きであったが、耳長で貧乏だった為、村の図書館を使うことができなかった。そんな少年は差別が存在しない本の都・アフツァックに行くことを夢見る。ある日、少年は憧れのアフツァックの図書館で働く司書(カフナ)と出会う。この司書との出会いが、少年の運命を大きく変えることに──。孤独な少年が未来を切り拓く、異世界ビブリオファンタジー堂々開幕!!  (講談社コミックプラスより)

 

今作は架空の世界をベースにしたいわゆる「ハイファンタジー」の一種であり、書を愛する少年シオ=フミスの冒険が描かれてます。

現代日本で生きる私たちにはいまいちピンとこないかもしれませんが、今作の世界では「書」の希少価値、重要性が極めて高いものとなっています。

書とは「知の結晶であり、思想を持った記号の集積であり、過去と未来を繋ぐ遺産」なのです。

そして、それを保護・管理する中央図書館の「司書(カフナ)」は、「英知の専門家」と呼ばれ、シオにとっても憧れの職業なわけですね。

 

あらすじにもある通り、物語は主人公シオと中央図書館から訪れたカフナたちの出会いから始まっていきます。

学校では同年代の生徒からいじめに遭い、貧しいが故に大好きな本もろくに読むことが許されない…。

そんなシオが、知恵と勇気と仲間たちの力で自分の人生をドンドン切り拓いていくのです。こんな展開、誰だって胸が熱くなるじゃあございませんか!

 

また、王道ストーリーを下からガッチリと支えているのは、練りに練られた世界観設定です。

歴史的背景や文化、登場人物、司書・図書館の役割、果ては一角獣の特徴に至るまで細かに設定が作り込まれており、読者を飽きさせません。

植物の特徴や書の修繕方法など、現実世界の事実的な部分をうまくフィクションに織り交ぜている箇所もあり、知的好奇心が刺激されます。

 

そういう意味では、この作品はまさに一つの「扉」です。極上のファンタジーへと誘ってくれる、未知への扉なのです。600円かそこらでこの極上の扉を開けるカギが手に入るなんて…。嗚呼、日本に生まれてよかった!!

 

 

精密な作画と魅力的なキャラクターがたまらない

私、専門外なのであまり大きなことは言えないのですが…。画力が異常に高いと思います。見開きの一枚絵とか、圧巻のひとこと。

電子書籍派の方、この作品は大画面で見開き表示ができるタブレットなどで楽しむのがベターかもしれませんね。

著者の泉光先生は以前に『あの花』のコミカライズや『7thGARDEN』を手がけた方なので、既に先生の作品を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

登場するキャラクターも魅力的な人物ばかりです。

主人公のシオをはじめ、

「風の魔術師」セドナ、

本の修復技術に長けたココパ族(妖精っぽい)のピピリ、

などなど、個性的なキャラクターたちが物語を盛り上げてくれます。

 

 

「主人公は君だ――。世界を動かせ‼︎」

唐突ですが、TV番組『ナカイの窓』に出演なされた松澤千晶アナウンサーの名言で以下のものがあります。

いいアニメは、夢を見させてくれるんじゃなくて、現実の見え方を変えてくれるんです。

 

勝手な解釈ですが、この名言は『圕の大魔術師』が持っている一つのテーマに結びつくのではないかと考えています。それはすなわち、

「知識や虚構を糧にして、現実を生きる自分の人生を切り拓け!」

「自分という人生の物語の主人公は他の誰でもない。オマエなんだ!!」

というものです。

(『レディ・プレイヤー・ワン』のあのシーンとも通ずるところがあるような…?)

 

書物を軸にした今作がメタなレベルでこのメッセージを投げかけていると思うと、それだけで胸が踊ってしまいます。

今この記事を読んでいただいている方にも是非『圕の大魔術師』を読んでいただき、何を感じたかを語り合いたいなーと思う今日この頃です。

 

 

原作『風のカフナ』とは一体何なのか?

今作『圕の大魔術師』、なんと原作が存在しております。

その名も『風のカフナ』。

「ああ、マンガ版のオチを知ってしまってでも、原作に手を出してみたい―――」

と思うのがマンガ読みの性(サガ)ではないでしょうか。

 

しかしなんと原作『風のカフナ』、Googleで調べても一向にそれらしきものがヒットしません。現代版「英知の専門家」とでも言うべきあのGoogleを持ってしても、この作品にはたどり着けないのです。

 

「『風のカフナ』とは一体何なのか? 物語上のギミックなのか?」

「著者のソフィ=シェイム氏とは? 翻訳担当の濱田泰斗氏とは?」

 

答えを知るには、物語を読み進めるしかないようです…。

 

 

おわりに

1年間に流通するマンガ本のタイトル数はおよそ20000~30000だそうで。

数万というマンガの中からこの1冊に出会えた奇跡を…、今はじっくりと噛み締めたいものです。

 

何はともあれ、近々もっともっと話題になる作品だと断言できます!

興味のある方はぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

ではまた。

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