TOP > マンガ新聞レビュー部 > 綺麗すぎるお母さんに愛されすぎて…『血の轍』吐き気...

母親の過保護っぷりが話題となったドラマ「過保護のカホコ」

 

なにからなにまで母親が娘を手助けするさまが、ゆとりに次いで社会でもよく目にすると共感を呼んだ。
実際会社説明会に親同伴でくる人もいるらしいから笑えない。同僚の女の子も自分のこと言われているようで、カホコのことが全然笑えなかったそうだ。

 

そんな過保護な母親がテーマの押見修造最新作!

漫画『血の轍』を紹介します。

 

中学2年生・長部静一(おさべせいいち)。中学生にもなって母親から「静ちゃん」と呼ばれている。

美人…というか若くて姉にも見えそうな母親は、毎日”静ちゃん”を起こしにくる。その様子はまるで、セックスしたあと眠りこける彼氏を起こすかのようにどこか艶めかしい。

 

静一はクラスの男友達と遊ぶ約束をするも、週末にはいとことその母親(父方の姉)が遊びに来ることが多く、そんな時は決まって優先することになっていた。

 

同年代のいとこもまた、静ちゃんと呼ぶ。

「静ちゃんちってさ、カホゴだいね。」
「静子おばさん、
 幼稚園のとき
 毎日 教室の後ろで
 立ってたんだんべ?

このいとこの発言に対して「お母さんのこと、変な風に言わないでよ。」と目がガチな静一に少し狂気を感じるが、男の子ってお母さんのことが好きだし、幼いんだなという印象を受けた。

 

ただ、過保護だなんて今まで言われたことがなったから、静一は自分の母親って変わってるのかなと、真っ白だった心に1点のシミみたいのができたように見えた。

 

よくよく考えてみると母親の名前が静子で父親が一郎で、まぁ確かに父親からも名前はもらっているけど、
長男に母親の名前メインでつけてるところが、珍しいというか、執着が見えなくもない。

 

実際この母親、ほっぺにキスしたりもするし、通知表でいい評価をもらったりすると頭や顔を撫でてきたりしている。

 

私が教えている中学生の健全な男子だったら間違いなく「やめろよ!気持ちわりぃ」というに違いない。

そんな反抗もほとんど見せることなく受け入れてきた静一。

 

それほど静子は静ちゃんを愛していて、とても大切に大切に育ててきたのだ。

静ちゃんにその愛情が伝わっているからこそ、自分に向けられる母親の視線がどこか熱いものでも受け入れてきたのだろう。

 

そんなふたりはやっぱりはたから見ると過保護で、
いつもにこにこしている静子だが、親戚たちから小ばかに”過保護”だなんて言われていることに、内心腸が煮えくり返る思いだったのだろうと思う。

 

夏、静一たちは親戚たちと山登りに出かけた。

その山の中で、静子にとって大切な宝物の静ちゃんをいとこがふざけ半分で崖付近で押したことを、静子は許せなかった。

 

そのあと、静子はいとこの男の子を、崖の上から突き落とした。

静一の目の前で…。

 

穏やかだった家庭が、一気に崩れ落ちていく…

生ぬるいお湯に服のまま浸かっているような、気持ち悪い暖かさに包まれる…。


この漫画は、そんな感覚にさせられる作品である。

血の轍 1 (ビッグコミックス)
著者:押見 修造
出版社:小学館
販売日:2017-09-08
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