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私たちは過酷な社会に喘ぎながら日々癒やしを求めている。だから一家に一人この子を!『ハカセの気まぐれホムンクルス』
ハカセの気まぐれホムンクルス(1) (電撃コミックスNEXT)
著者:加我 皓平
出版社:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
販売日:2017-04-27
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希薄化する家族や隣人との絆。過剰なサービスがもたらす過剰で不満とストレスを溜めるだけの労働。増える鬱病。超高齢化社会で低収入の非正規雇用・単身世帯の増加。年金を始めとする社会保障制度への疑問。明るくない将来への尽きぬ不安。物質的には確実に人類史上でも最も豊かかつ生命が脅かされる危険性からも最高レベルに遠ざけられたにも関わらず、心身共に疲労が蓄積し病んでしまう人があまりに多い現代社会。

そんな世の中では、誰もが癒やしを求めています。そう、日々の疲れを、荒れた心を暖かく包み込んで慰撫してくれる存在を現代人は求めているのです。「寝て起きたの? えらい!」「朝ごはん食べたの? えらい!」と、日常のすべてを肯定してくれるペンギンの赤ちゃんのような圧倒的な癒やしを。

今回紹介する『ハカセの気まぐれホムンクルス』では、そんなくたびれ果てた現代人を癒やすべく、「癒やしの妖精プロジェクト」という企画が発動しています。企画者であるバイオ科学研究室の室長であるハカセもまた、研究所に何日も寝泊まりする過酷な生活を送る中で、家族には冷たくあしらわれるという状況に哀しみと怒りを覚えていました。世の少なくない男性が、ハカセの立場と想いに同情的になることでしょう。

愛と安らぎを与えてもらうために開発された、人工生命体《ホムンクルス》。その第一号であるリュウちんと呼ばれるホムンクルスがこの物語の中心です。

人間の手のひらに収まるサイズの小さなリュウちんは、見た目はとても愛らしい少女のよう。そして、気質や知能レベルは幼児のそれ。好奇心旺盛で、初めて見るものには目を輝かせます。そして、最大の特徴にして最大の問題が、何でもすぐ噛む癖があること。そう、たとえそれが創り主の指であったとしても……。

リュウちんのお世話係に任命された研究員の赤井は、初っ端からその強烈な洗礼を受けます。冒頭のカラーページでハカセの指が絆創膏だらけだった理由がそこで判明します。現状では癒やしの妖精というには程遠く、触れるものすべてを傷付け15で不良と呼ばれてしまいそうなギザギザティースのホムンクルス。そんなリュウちんを、赤井は上手く調教できるのか(できなければクビ!)?

そんな赤井とリュウちん、そして研究室の関係者たちを交えた奮闘記がコミカルに描かれて行きます。バイオレンスさを隠さず、誰かに怪我をさせていない回を探す方が難しいリュウちんですが、しかしそのかわいさは本物です。美味しいものや可愛いものに触れた時の喜びようは、見ているだけで幸せになれます。ずっとこうだったら、実際に「癒やしの妖精」として申し分なく、私も一人欲しいレベル。

途中からは、リュウちんの妹・こたつも登場。リュウちん以上に愛くるしい姿を披露してくれます。しかし、そんな天使のようなこたつにもリュウちんの魔の手、もとい魔の歯が……?

スタイルの良い美人である研究員オリーブさんや、手芸が得意な関西弁の葵、ハカセとバイオ研をライバル視するロボ研の室長・白滝と、そこの癒やしの妖精であるロボコなどなど……個性豊かなサブキャラクターも入り乱れて織り成される、ハートフルでドタバタな日々にあなたも癒やされてみませんか?

 

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