TOP > マンガ新聞レビュー部 > 日本人は知らない、遠い戦争のリアル『マージナル・オ...

人類の歴史は戦争の歴史

 

人間ってなんでこんなに戦争ばっかりするんでしょうね?

 

「あなたは戦争が好きですか?」って訊かれたら、ほとんどの人は「NO!」と言うと思うんです。

もし「YES!」って答える人がいたとしても、「じゃあ前線に行って自分の手で敵を殺してきてください」って言われたら、やっぱり「それはイヤだ」って答えるんじゃないかなと。

 

「諸君、私は戦争が好きだ」なんて言っちゃうような戦争狂もまぁ世の中にはいるんでしょうけど、ものすごくマイノリティだと思うので、じゃあなんでこんなにずーっと戦争がなくならないのか不思議じゃないですか?

 

でも、現実に、人類はずっと戦争をし続けている。

それって、やっぱり戦争がお金を生むビジネスだからなんでしょうね。

 

そんな戦争のリアルを伝えてくれるのがこの作品です。

 

 

 

ハイテク化の先にあるもの

 

主人公のアラタは、勤めていた会社が突然倒産し、生活のために急いで転職先を探している中で、条件の良さに惹かれて民間軍事会社に応募する。

 

ビジネスで戦争を請け負う傭兵の会社で、職場も紛争地域だということを頭では理解していたアラタだったが、派遣先でのトレーニングは、PCの前でただシミュレーションゲームのような映像を見て操作をすることの繰り返し。

元々ゲームが得意だったアラタは、トレーニングの中で徐々に頭角を現すようになっていく。

 

 

©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社

 

 

しかしある日、自分がゲームのように出していた指示が、本当に戦場で兵士たちを動かし、命の奪い合いをさせていたことを知って、人を殺したという事実に押し潰されそうになる。

 

 

©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社

 

使い捨てられる命

 

まるでゲームのように戦争が行われていること、自らの指示で人を殺したことを現実と受け止め、ひとりでも多くの命を助けるためにオペレーターとして生きる覚悟を決めるアラタ。

 

だが、彼が指示することになった部隊の兵士たちは、まだ年端もいかない子供たちだった。

 

 

©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社
©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社

 

 

大人の都合で売られ、戦うことだけを教えられ、死んでも使い捨てられるだけの少年兵たち。

 

またしても突きつけられた現実を前に、アラタはただ少年兵たちを生かすため、そして彼らが武器を持たず殺し合いの世界から解放される日を目指す。

しかし、そのためには戦うことしか手段のない現実に苦しみながらも、もがき続けてゆく。

 

 

©芝村裕吏・キムラダイスケ/講談社

 

これは間違いなく現実だ

 

生存本能とか捕食目的ではなく、感情で他者を、しかも同種族を殺すのは人間だけらしいです。

 

それに映画もマンガもゲームも、まるでファンタジーのように殺し合いをする世界を描いて、本物の戦場にいない僕らは例えばFPSゲームで殺し合いごっこをしたり、シミュレーションゲームで侵略や虐殺を娯楽として楽しんでいます。

 

実際今は兵器の中にも、ゲームと同じように遠隔で操作して、まるでゲームと同じ感覚で使えるものがあるそうです。

目の前で本当に人が死ななければ、多分本物とゲームの違いなんて誰にも分からないですよね。

 

でも、戦争は殺し合いなんだから、その兵器は生きた人間の命を奪うし、ハイテク機器を使えない圧倒的多数の兵士たちは、生身で戦い、命を散らしています。

そんな地域で生まれた子供たちも、字の書き方を覚える代わりに銃の撃ち方を覚えさせられ、学校ではなく戦場で生きています。

 

戦争では、兵器会社や軍事会社が、なんの主義も思想もなく、あくまでビジネスとしてお金を稼いでいる。

そんなリアリティをこの漫画『マージナル・オペレーション』は教えてくれます。

 

…なんて、僕もきっとまだ本当の意味で戦争の悲惨さを理解できてはいないんですけど、でも、やっぱり少しでも意識していたいんで、皆さんにもぜひ読んで欲しいです。

 

だって、きっとこの先も戦争がなくなる日は来ないだろうから。

 

 

>>『マージナル・オペレーション』をDMM電子書籍で読む

 

マージナル・オペレーション(1) (アフタヌーンコミックス)
著者:芝村裕吏
出版社:講談社
販売日:2014-01-10
  • Amazon

この記事に類似する記事

▶マンガがお得に買えちゃう情報満載!

人気のコメント

新着コメント

ログインして
すべての人気のコメントを見る

ご自身のTwitter、Facebookにも同時に投稿できます。

《マンガ新聞》公式レビュアーの方はログイン
 ※新規ゲストのログイン機能は準備中となります

利用開始をもって
《利用規約》《個人情報の取扱について》
同意したものとみなします。
ログインメニューに戻る
ログインメニューに戻る
パスワードを忘れた方は
《パスワード再設定》を行って下さい。
ログインメニューに戻る