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実写劇場版が絶賛公開中の『羊と鋼の森』

原作は宮下奈都先生の小説で、2013年の発表以来本屋大賞など数々の賞を受賞した名作ですが、この作品のコミカライズをしたものが今回ご紹介するこちら。

 

水谷愛・宮下奈都

『羊と鋼の森』

信じる、という才能

やりたいことも夢も特になく、自分に自信もなかった青年が、調律師という仕事に出会って成長していく姿を描いたこの作品は、宮下先生の情景豊かな表現の素晴らしさもあって高い人気を得ましたが、マンガ版も水谷先生の優しく温かな絵柄によって、原作とはまた違った表現がとても素敵な作品になっています。

 

ただ、どちらの作品も、調律師という答えのない仕事に懸命に取り組む主人公の葛藤や覚悟がありありと描かれていて、これから社会に出ていく不安を抱えていたり、日々仕事に追われて苦労したり悩んだりしてる、そんな多くの人たちの心に強くて優しい勇気をくれます。

 

才能があるから生きていくんじゃない。

そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。

あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。

もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。

 

これは原作の方に書かれていて、作品紹介などにも良く引用される言葉ですが、マンガの方にも同じようにとても心に響くセリフがたくさん出てきます。

 

この仕事に正しいかどうかという基準はありません。

こつこつと守って、こつこつとヒットエンドランです。

森は深い。だけど引き返すつもりはない。

ここから行くしかないじゃないか。

何もないところから、焦らずにこつこつと。

無駄かどうかは考えたことがありませんでした。

はるか遠いあの森へ、一足飛びに行けたなら。

だけど森に近道はない。自分の技術を磨きながら、一歩ずつ進んでいくしかないんだ。

ピアノで食べていこうなんて思ってないよ。ピアノを食べて生きていくんだよ。

 

僕らはよく成功した人たちや、凄い技術を身に着け高い評価をされている職人さんたちの姿を見たり言葉を聞いて、憧れつつも、自分とは違うと諦めたような冷めた目で見てしまうことがあります。

 

彼らには才能や運があったからだ。

彼らのようになれるのはほんの一握りの選ばれた人たちだけだ。

 

でも、この作品が教えてくれるのは、たとえそんな凄い人たちだって、最初から輝かしい未来を約束されていたワケではなく、その道を自ら選んで一歩を踏み出して、そこからひたすら自分を信じて歩み続けていくことが大切だ、ということです。

 

自分に才能があるかどうかなんて誰にもわからない。

ゴールを手にするためのショートカットなんて存在しない。

ゴールまでの正しい道すらも誰にもわからない。

 

だから、その道を選んだ自分を信じて、一歩ずつこつこつと積み重ねていく。

これって簡単なようで一番難しいことだと思うんですよね。

でも、覚悟を決めれば、誰だって、いつからでも踏み出せる。

 

そんな勇気をくれる『羊と鋼の森』は、やっぱり素敵な名作だと思います。

 

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著者:水谷愛
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