TOP > マンガ新聞レビュー部 > 人類は果たして守るべき存在か?『鉄腕アダム』

人類終末の時、AIは何を思うのか

西暦2045年。

アメリカとロシアが第二の冷戦を迎え、異常気象や海洋の酸性化、大気汚染はさらに深刻化し、動植物の絶滅のペースが進み、人類は新天地として火星への入植を進めている、そんな時代。

突然外宇宙から地球に向かっている9体の未確認物体(通称『蝶』)の姿が確認された。

 

分析の結果、『蝶』は地球の大気圏内に入ると、恐竜を絶滅させた隕石落下に匹敵する規模で自爆することが判明する。

 

人類の存亡をかけてこの『蝶』を破壊するため、人格を持つAIを搭載したヒューマノイド『アダム』とその開発者・ジェシー博士のチームの戦いが始まった。

 

果たして『蝶』の目的は何なのか?

そして人によって生み出された人ならざる存在『アダム』は戦いの中何を思い、どこへ向かってゆくのか?

目と鼻の先にあるリアル

この作品はいわゆるSFモノだけど、すごいのが、遠い未来のファンタジーではなく、とても現実的で科学的な設定にこだわって丁寧に作られているところだと思う。

 

2045年なんてもう30年以内の、まだおそらくこの作品の読者の大半が生きている本当に近い未来の話だし、温暖化や環境破壊とか、大国同士の冷戦とか、火星への入植なんてのも、どれも今時点ですらまさに現実に進んでいる話からこそ、とてつもないリアリティがある。

 

『蝶』みたいな存在は現実的でないかもしれないけど、読み解いていくうちに様々な謎も、科学的なルールに従いながら解き明かされていくことになるので、ただのファンタジーと割り切れないところもまさにSFだ。

美しい絵で描かれる重厚なヒューマンドラマ

人類存亡をかけた未確認物体との戦い、というと一見バトルものっぽい印象を受けるけど、どちらかというとAI『アダム』とその周囲の人間との人間関係を中心に、人の感情、生命ではないヒューマノイドだけれども明確な人格を持つAIの是非といった、哲学的な要素も多分に含むヒューマンドラマとして深い内容をこの作品は持っている。

(C)吾嬬竜孝/集英社

吾嬬先生の絵はものすごく美しいので、バトルシーンの迫力もすごいけど、あえて淡々と描いているようで、熱い炎というよりは青く静かな炎のような印象をすごく受ける。

だからこそ余計にヒューマンドラマとしての要素が際立っていると思う。

(C)吾嬬竜孝/集英社

最近AIが非常に注目され、その反応も人間にどんどん近くなってきていて、いつか人間を超えるんじゃないかというリスクに警鐘を鳴らす人たちの言葉も、よりリアルに感じられるようになってきた今だからこそ、ぜひ一読して、来るべき2045年をどんな未来にすべきなのかを考えてみてほしい。

 

ここで描かれているのは他人事ではなく、僕たち人類の未来の話だから。

 

 

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